不思議な爆発の仕方を見せる、燃料気化爆弾BLU-96

空から炎が降ってくる、終末的な爆発映像を見せる爆弾、燃料気化爆弾です。
投下された後、内部で燃料が沸騰。高圧高温の液体燃料を秒速2,000メートルで周囲に放出し、そこに火をつけるという作動方式の爆弾です。

この爆弾の攻撃力の自慢は、その強力な爆風にあります。
通常、爆弾は爆発により外殻にあたるものを飛ばして人体を損壊し、その衝撃波、爆炎などは二次的な効果とも言えます。

が、この燃料気化爆弾はその恐ろしい衝撃波と、燃料を気化させて爆発させるというプロセスから周辺を広範囲で酸欠状態にするなどの効果に意味があります。
よくマスコミなどでも、燃料気化爆弾にやられて窒息死した人について扱っていますね。どうやらあれは厳密には肺充血らしいですけど。

衝撃波も強力で、ほとんど外傷もなく圧死してしまうそうです。
他、アメリカではこの類似品を地雷撤去などに効率の良い兵器として積極的に使おうとしています。

また、この爆弾はいろいろと誤解が多い事でも有名です。
たとえば殺傷能力が及ぶ距離について。真空爆弾やデイジーカッターといった別の爆弾との混同について。

効果範囲は半径数キロ、と下手な核爆弾をはるかに凌駕する力を語られる場合もありますが、実際はそんなにあるはずもなく、半径数百メートル程度らしいです。