チョイスFMというグローバルラジオ局が制作した、発砲事件に向けるメッセージ動画です。
卵から始まり、牛乳のグラス、水入りペットボトル、リンゴなど、様々な物が射撃を受けて破壊される様子のスローモーション映像です。
最後の「え? マジ?」と思わせるフェイント。どきっとします。
とても演出の質が高い広告だと思います。ラストのフェイントは胸に迫るものを感じさせ、ついメッセージに目を向けてしまいます。
スローモーションの速度も、遅すぎず早すぎず、尺を意識したものだと感じます。さすがにプロの作品ですね。
残念なことに、我が国でも無縁の話ではありません。
日本でも毎年、数十件の発砲事件が発生し、数十人が尊い命を落としているそうです。
皆様、どうぞお気をつけてくださいね。
食べ物が無残に飛び散っちゃう動画ではありますが、スローモーション映像は「暴力」の中に「芸術性」と「美」を誕生させる技術とも語られます。
映画監督サム・ペキンパーは、作品中の暴力描写にスローモーションによる演出を加えることで、そこに彼独自の美的な世界を築きました。
彼は「夕陽のガンマン」などドル箱三部作で知られるセルジオ・レオーネ監督と並べて語られる、西部劇の業界では有名な監督で、通称「最後の西部劇監督」です。
彼のスローモーション演出は、後の映画監督などに多大な影響を与えました。「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟や「レッドクリフ」のジョン・ウーも、アクション演出上に、ペキンパーの功績であるスローモーションを見受けられる監督です。