【30213】:[その他] [2023/03/27(月) 18:32:40]
マルイ・10禁コルトパイソンの弾道改善 クリバンのパパ
リボルバーの弾道精度の悪さはみなさんご存知の通り。このエアコキパイソンも乱れ弾道で弾ポロも頻発、トリガーもめちゃくちゃ固い。しかし手直しで少しは良くなるので、私の対策をご参考までに。長くなるが、この銃の性根を直すにはこれくらい必要。写真・図解は苦手なのでテキストのみ、あしからず。
[1]銃身前部やバレルのガタ改善:
銃身前部とフレームの「はめ合い部」や、インナーバレルとアウターバレルの間のガタが大きすぎる。アルミテープ等で隙間を解消する。これは弾道性能のための基本中の基本。
[2]シリンダーの回転メカ精度がイマイチ:
● 弾倉シリンダーがわずかにずれた位置で止まることが頻発。そのまま撃つと確実に弾ポロや不発に。この銃はハンマーを起こす時に、シリンダーを回転させるために動くツメが回転の最終位置で銃尾側に退避してそれ以上回転させないような構造だが、この退避タイミングがわずかに早すぎるので、回転が足らない場合が生じる。これが問題の根本原因。
● 対策として、フレーム側にある「ツメの退避を生じさせる突起」を削って、退避タイミングをわずかに遅らせる。削りすぎると、トリガーが固くなったり最悪落ちなくなるので、構造をよく理解してわずかづつ慎重に削る。削りすぎた場合、アルミテープ等による調整が可能。
● 調整ができるとシリンダー回転はピシャリと決まり、弾ポロ・弾つまりは完全解消、実に気持ちよく撃てる。
[3]ホップアップの不安定。
● ホップが不安定で、弾道が上下左右にバラけまくる。これは、ホップ突起よりも上流に位置するカートリッジ内にBB弾が置かれることから生じる、いわゆる「つまづきホップ」の問題であり、リボルバーの宿命。弾に不正な回転を与える構造がホップ突起より上流に存在するという問題。いくつかの改善ポイントはある。
(a)チャンバーラバーの改善:
通常のマルイ・エアコキのものと類似のホップチャンバーラバーが使われているが、その入り口のリング状部の内径はBB弾より少し小さくてBB弾通過に抵抗があり、これが弾に不正回転を与える。この部分を精密ハサミで0.5mmほど切り落とし、残った部分の内径もリューターで少し削って、ホップ突起以外ではBB弾の通過抵抗が全くない状態にする。ただしバレルとチャンバースリーブは固く接着されているようなので、ラバーの取り出しはたいへん。チャンバーからピンセットでラバーを無理やり引き出して加工し、もとに戻す時も無理やり押し込む。ゴムだから何とか出来る。
(b)カート内のBB弾保持の改善:
◇ カートリッジ内でBB弾を保持するOリング部分が問題。ここを振り切って飛び出す時に不正回転が生じる。この保持力をさらに弱くするのは難しいが、弾ができるだけスムーズに飛び出すように、Oリングにシリコングリスを擦りこんでよく拭き上げる。
◇ BB弾はカート最奥まで押し込むと保持抵抗が増えて明らかに弾道乱れが増える。そこで、銃口を上に向けてカート先端にBB弾を置き(中に押し込まないで)、シリンダーをトリガーでカラカラと回すと最小の押し込み量でBB弾が揃う。弾はポロ落ちしそうで落ちないので、私はこの方法で装弾している。
(c)重量弾と強ホップ回転:
◇ つまづきホップ構造を根本的に直せない場合の有効な対策は、やはり「重量弾の使用」と「ホップ回転の強化」。重い弾をドロップさせないための強いホップ回転が、不正回転による影響を相対的に減少させ、同時に強いジャイロ効果で弾道が安定する。
◇ 製品の箱出しでは、0.12g弾でも鬼ホップ頻発の乱弾道なので、ホップ圧が高すぎるかに思われるが、実はそうではない。チャンバーに直接弾を込めて、純粋にホップ突起ラバーのみによる発射をしてみると、弾道が安定するのみならず、0.12g弾ですら一貫してドロップ気味になることに驚かされる。つまり、製品のホップ圧設定が極めて弱いのでホップ突起以外による不正回転の影響が大きく出て、弾道がバラケまくる。
◇ そこで、ホップチャンバーに微細ネジによる「可変ホップ機構」を設置し、0.2g弾に対し最適ホップ圧を与え、0.2gを標準弾にする。弾速はおそいが、弾道の直進性はまさに劇的に改善する。このとき.12g弾や0.15g弾に対してはホップ過多だが、特筆すべきはこれら軽量弾でも弾道の左右バラケが減り、上方へスーッとホップアップしやすくなる事だ。まさに正しいホップ回転が掛かっている証拠。
-------------
これら一連の対策によって弾道はかなり安定。良く調整されたオートマチックガンには負けるが、厳しいことを言わなければ、0.2g弾で20mくらいまでほぼ真っ直ぐな弾道。「あさってに飛んでいく」ような乱れ弾は全く無い。もちろん弾速は低下するが、紙飛行機のように、スゥーッと真っ直ぐ飛んでいく感じで、実に気持ちがよい。私が痛感したのは、リボルバーほど10禁・軽量BB弾に向いていないものは無いという事。
[4]トリガープル・フィールの改善
● この銃のトリガーはめちゃくちゃに固い。昔ながらの「自己食い込み型シア構造」でガチガチなのか?と思うと実はそうではない。むしろ、マルイの最近設計エアコキ(USP、M92Fなど)に似たコッキング保持機構。分かりやすく言えばドアをロックするのに、かんぬきのようなものを差し込み、解除にはかんぬきを抜くような構造。このカンヌキの掛かっている部分は食い込み型でないので、軽く解除できる優れた構造。
● このパイソンがメチャ固い理由は、カンヌキを動かす「カムのような部分」の形状が不適切なのでスムーズに動かないということ。カム状部分を滑らかに動く形状に削れば、トリガーフィールは実に快適になる。しかも暴走には無縁。これが食い込み型シアだと、コッキング解除を滑らかにする加工は常に暴走と隣りあわせなので、やっかい。
● なお、分解前にハンマーの根元を覗くと、コッキング部のように見える部分があるが、これはハンマーがトリガーをシングルアクション位置に移動させる構造部分なので、ここにグリスを差してもトリガーは柔らかくならない。
[5]弾速のアップ
● 0.2g弾を飛ばすために、可能な限り威力アップはしたい。カートリッジを経由するエアー流路には多少のモレはあるようだが、修正はメンドウなのでとりあえずピストンスプリング強化だけを実施。製品のスプリングは線径1.2mmの18禁なみだが、スプリング外径は少し大きくて、通常のマルイエアコキ18禁スプリングは装着不可なので、スプリングにゲタをはかせる。コッキング出来なくなる限界のゲタ量は4mm程度。この程度が適当なところか。これ以上に強化してもハンマーを起こすのがタイヘン。
● 重要 !!!:ハンマーが落ちたときに、ハンマーの後端(分解しないと見えない部分)が、フレーム内側を激しく叩くので、あっという間にフレーム(グリップパネルの上端あたり)が割れてくる。完全な設計不良。フレーム内側の当たる部分をリューターで削る必要あり。製品状態でも必ず割れてくるので、スプリング強化したならなおさら対策必要。なお、ハンマー側の当たる部分は削らない方がよい。ここはピストンへのリンクロッドがかかっている部分なので、強度低下の恐れがあるから。
---------------
当然のことながら、以上の改造・改善をおこなう方は、全面的に「自己責任」で。サイドパネルを外しての分解・再組立ては結構やっかいなので、気合を入れてやれる人にしか勧めない。しかし、それをやってでも、[5]で述べた「ハンマーがフレームをたたき割る問題」を直さないといけないから、困ったもの。マルイさん、これなんとか対策しないと評判が落ちるよ!!!! 昔はマルイもパーツを親切に分けてくれてとても助かったが、2023年3月に確認したところ、エアコキのパーツ支給は全面的に止めたとのこと。パーツ加工に失敗すると、部品取りに商品を買う必要があるので要注意。
【30214】:[その他] [2023/04/04(火) 03:45:32]
Re:マルイ・10禁コルトパイソンの弾道改善 部品取りに新品買ったよ
[2]シリンダーの回転メカ精度がイマイチ:
>● 対策として、フレーム側にある「ツメの退避を生じさせる突起」を削って、退避>タイミングをわずかに遅らせる。削りすぎると、トリガーが固くなったり最悪落ちな>くなるので、構造をよく理解してわずかづつ慎重に削る。削りすぎた場合、アルミテ>ープ等による調整が可能。
ここ気になります!クラウンモデルのだとノーマルでばっちりなのですが
マルイのはダメですね。あとグリップいじろうとして分解したのですが1番最後のネジがはずれずに断念しました。手がかかる場合は組み立てキット出だしてくれたほうがありがたいですね。
【30240】:[その他] [2023/06/09(金) 07:06:45]
Re:マルイ・10禁コルトパイソンの弾道改善 BLACK HAWK
クラウンの模倣みたいでクラウンより精度の悪い東京マルイ製エアコキパイソンに涙ぐましい『カスタム』を施して銃本体の寿命を縮めるよりも、カスタムの余地がある東京マルイガスリボパイソンの中古を安価で買ってきてライブカート化した方が遥かに有益だと思いますよ。(^^)
初期型なら材質がヘヴィウエイト樹脂なので重量感もありますし、初速値も0.4J前後はありますから。。
【30256】:[その他] [2023/06/24(土) 18:38:47]
Re:マルイ・10禁コルトパイソンの弾道改善 クリバンのパパ
BLACK HAWKさん、アドバイスありがとうございます。確かに!ガス銃の方がよいのでしょうね。
今回、私には初めてのリボルバー。弾道精度の点でリボルバーが抱える構造的問題を徹底理解するために、いじくり倒しました。10禁エアコキのほうがより顕著に弾道精度の問題が出やすいので、研究素材として向いていたようです
不正な弾回転が起こりやすいリボルバーでは、「重い弾を使い、しっかり正しいホップスピンを掛けるのがよい」というのが私の結論。そのためには馬力のあるガス銃が良いというのが当然の流れでしょうね。