BATON airsoft BN-SILENT HAWK CO2GBB
レビュー: 金子一也 (Gunsmith BATON 店長)
JASG認定 CO2ガスガン、BN-SILENT HAWK CO2GBB
当Airsoft通信読者の皆様にはお馴染みのBATON's blog上にて、BM-45セカンドロットの発売日である2020年8月13日に、【1911系バリエーションCO2GBB 次期新製品アイディア大募集】という企画が発表された。
記事公開直後より全国の1911ファンからの様々な製品化希望が殺到し、改めてその人気の高さに驚かされる中、製品化に当たっての様々な条件を加味した検討を行い、9月初頭にNIGHTHAWK CUSTOM社のカスタムガン、SILENT HAWK 9mmの製品化を決定。
公募開始からおよそ2年を経た2022年8月中旬に、『BATON airsoft』ブランドの商品、BN-SILENT HAWK CO2GBBとして発売する運びとなった。
当記事執筆時点ではGunsmith BATONネットショップで予約受付中となっているが、発売日以降は、これまで同様全国のエアーガン取扱店舗での購入が可能となる。
尚、本製品もこれまでのCO2GBBシリーズ同様、JASG自主規約に基づく認定検査に合格した安全なエアースポーツガンであり、購入後三ヶ月以内は、修理工賃・パーツ代に加え、修理品の受け渡しにかかる送料もメーカー((株)バトンTrading)が負担する万全のサポートが受けられる。
※サポートには商品添付の保証書が必須となり、購入後3ヶ月以上経過した場合でも、有料でのサポートを受けることが可能だ。
SilencerCo社とのコラボで誕生した戦闘用拳銃
出典:https://www.nighthawkcustom.com/silent-hawk
SILENT HAWK 9mmは、最高級のカスタムガンを製作することで世界的に知られるNIGHTHAWK CUSTOM社が、サウンドサプレッサーの開発メーカーであるSilencerCo社の依頼によって作り上げた9mm口径の1911カスタムで、SilencerCo社のフラッグシップたるOSPREYに合わせてデザインされたリミテッドモデルとなっている。
サイレンサーの装着を前提としたスレッテッドバレルに加え、いわゆるコマンダーサイズのスライドと、アンダーレールを備えたコマンダーリーコンフレームを核に、素早く正確な射撃を行うためのあらゆるカスタマイズが施されたSILENT HAWK 9mm。
ナイトライド(窒化物)ブラックアウトフィニッシュによって漆黒を纏ったその佇まいは、純正の戦闘拳銃と呼ぶにふさわしい静かな迫力を感じさせてくれる。
出典:https://www.nighthawkcustom.com/silent-hawk
マニア待望の最新コマンダーモデルをCO2GBB化
NIGHTHAWK CUSTOM社のカスタムガンは、その人気の高さから製品化されているモデルも多いが、ブローバックガスガン、それもCO2仕様としてSILENT HAWKがリリースされるのは、おそらく世界で初めてのことだろう。
製品としてはBM-45/M1911A1 CO2GBBのバリエーションモデルという位置付けだが、製品にも付属するパーツリストの中でアウトラインが赤くなっている部分は、すべて新たに設計、製造した完全新規パーツとなっており、お手軽に増やしたバージョン違い商品では無いことがおわかりいただけるだろう。
NIGHTHAWK CUSTOM製品ならではの美しいデザインを、材質の許す限り忠実に再現したBN-SILENT HAWK CO2GBB(以下、BN-SH)の全貌を、今回も銃口周りから詳しくご紹介して行こう。
※画像は量産手前のサンプルなので、製品版では外観が一部変更される場合があります。
バレル先端に取り付けられている、外周にローレット加工が施されたスレッドプロテクターは従来品の流用ではなく、実銃に付属するプロテクターを模して新たに製作。
また、スライド先端のバレルブッシングも、BM45/1911パーツの流用ではなく、BN-SH 専用として、実銃に採用されている通常より分厚いデザインをしっかり再現している。
上述のスレッドプロテクターを外すと、各種マズルアダプターの装着を可能とする14mm逆ネジのスレッドが現れる。
ここはやはりSILENT HAWKという名称に倣って、気の利いたサイレンサーを取り付けたいところだろう。
スライド前面のエッジが全周に渡って丁寧に落とされているのは、NIGHTHWAK製品ならではの細やかさを忠実にトレースしたものだ。
主に平面で構成されたコマンダースライドに搭載された前後サイトは、ヘイニー社製のトリチウムトールサプレッサーナイトサイトを再現したもので、サイレンサーを装着した状態でもエイミング可能な背の高さと、背面に刻まれた反射防止のグルーブが実用性の高さを物語っている。
その前後サイト背面の中央には小さな窪みが見て取れる。ここは本来トリチウムが埋め込まれている場所だが、安全上これを再現することは出来ないため、蓄光塗料等を塗布出来るよう窪みを設けているわけだ。
尚、コマンダースライドはその名の通り全長が短く作られており、一般的な1911のスライド長およそ190mmに対し、約170mmというサイズになっている。
SILENT HAWK 9mmはトライカットトップのスライドを採用しているが、スライド上面に微妙に傾斜があるため、左右両斜面とのエッジ部分に、先端を頂点とした鋭角三角形様の平面が存在しており、一般的な同タイプスライドとの一線を画している。
BN-SHでも、この繊細なデザインをトレースしているのだが、上の画像でその再現度がおわかりいただけるだろうか。
スライド下側のエッジ部分にも、幅が2mmに満たない斜めのカットが入っており、操作時の引っ掛かり等を防ぐと同時に、質の高い造形美を見せつけている。
コマンダーリーコンフレームと呼ばれるフレームのダストカバー部分は20mmレールマウントになっており、闇の中での戦いに必須の、各種タクティカルライト等の取り付けが可能だ。
スライドを引くと、ストレートタイプの金属製アウターバレルが現れる。
BN-SHはスレッド一体型のバレルを持っているため、マズルデバイス装着時の安定性を鑑み、ショートリコイルキャンセルアウターバレルを採用。
基本的な作りはBM-45を踏襲しているが、チャンバー下側のスライドストップの軸と接触する部分はBS-COMBAT MASTERのアウターバレルと同じ構造で、スライド閉鎖時のガタつき抑制に貢献している。
単体の画像ではわかりにくいが、グリップ側のトリガーガード付け根部分は、ウルトラハイカットフロントストラップと呼ばれるコマンダーリーコンフレーム独自のデザインを再現している。
これは、バレルの軸線に少しでも近い位置をグリップするための工夫で、最上級カスタムガンの証たる部分と言えるだろう。
また、モノトーンのグリップパネルは、実銃標準装備のG10スパイラルカットグリップを実際に購入し、切削によって形作られた表面のすべり止めパターンと模様を、金型整形と特殊プリントによって再現している。
トリガーも過去作の流用ではなく、実銃パーツの形状を忠実に再現した新規設計品だ。
肉抜き穴の中に見えるイモネジも単なる飾りではなく、締め込むことでトリガーの引き代(シアー開放後のストローク)が調整出来る本格仕様となっている。
ビーバーテイルタイプのグリップセーフティも、背面にある三つの窪みを再現した新規パーツを製作。
資料によってはこの窪みが存在していないので、BM-45のパーツを流用する手もあったが、どうせやるなら徹底的にというポリシーのもと、新規製作に踏み切った部分だ。
ハンマーとアンビサムセーフティも、
NIGHTHAWK CUSTOM社オリジナルパーツの形状をぬかりなく再現。
親指のかかる部分が薄く作られたサムセーフティの使い心地の良さはまさに絶品で、1911ユーザーなら誰もが感嘆することだろう。
それぞれの間隔が広く取られたコッキングセレーションも、独特のデザインをしっかりトレースしている。
マグウェルについても、実銃同様のハンマースプリングハウジング一体型にて新規製作。素早く確実なマガジンチェンジをサポートする。
また、CO2GBBの強烈なリコイルを抑え込むための、グリップ前面の鋭いチェッカリングモールドにもご注目いただきたい。
装弾数が倍増した新設計CO2マガジン"Type-NL"
BN-SHには、今回新たに作り起こした1911 CO2マガジン「Type-NL」が付属する。
一見、従来品のType-Nと大差ない印象だが、その内容は大きく変わっているのだ。
従来品であるType-Nマガジン(右)と並べると、マガジン底部の厚みに加えて、CO2 12gカートリッジ収納スペースの上部が若干延びているのがおわかりいただけるだろう。
これはアウトプットバルブを擁する気化スペースを拡大したことによるもので、連射時の初速安定化を狙った改良ポイントである。
アウトプットバルブは言うまでもなく、特許取得済の TANIO・KOBA CO2 バルブ( TANIO・KOBA CO2 バルブ : 実用新案 第 3206631 号 )を採用。
PUFF DINO製CO2 12gカートリッジ1本あたり、100発前後の射撃が可能という燃費の良さに変わりは無い。
そして、多くのユーザーから熱望されていた装弾数の増加を、ダブルカラム化によって実現。
従来型の実用装弾数が13発だったのに対し、26発という火力を誇るハイキャパシティマガジンに生まれ変わっている。
※フル装填するとBB弾が27発入りますが、銃本体のシリンダーASSYを保護するため、フル装填で運用する場合は、スライドをホールドオープンさせた状態でマガジンを挿入してください。
マガジン底部はNIGHTHAWK CUSTOMオリジナル9mm10ラウンドマガジンのベースパッド形状を模しており、グリップ内に挿入した状態の雰囲気はシリーズ屈指のリアルさと言えるだろう。
尚、このType-NLマガジンは、BATONairsoft製のBM-45やM1911A1にもそのまま使用出来るが、マグウェルの無い両モデルに挿入すると、グリップ下からCO2 12gカートリッジの尾部がチラリと見える格好となってしまう。
2倍の火力を実装したことの代償として、ここはご容赦いただきたい。
今回のレビューは量産手前のサンプルを使用しているため、実射性能についてはあくまで現時点での話しになるが、お馴染みBATON Rangeでの実射テストで、30m先のEタイプシルエットターゲットに対するスタンディングからの無造作な射撃で、ワンマガジン26発を全弾叩き込むことが出来た。
本作から新たに採用される新設計のBNホップパッキンにより、弾道の安定性も向上しているように感じたが、ここは量産品の完成後に改めて検証したい。
2020年12月の製品化発表からおよそ1年半という時間をかけ、熟成を重ねて作り上げた、BATON airsoft CO2GBBシリーズ新製品、BN-SILENT HAWK CO2GBB。
最新最強のシングルスタックガンとして磨き上げられたその完成度を、是非お手に取って確かめていただきたい。
スペック
全長 | 218mm |
重量 | 約678g(マガジン含む) |
銃身長 | 108mm (インナーバレル長) |
装弾数 | 6mmBB弾 26+1発 |
価格 | 24,800円(税別) |
発売日 | 2022年8月下旬 |
動力源 | CO2カートリッジ式ガス |
初速 | 最高:78.17m/s 平均:77.02m/s 最低:75.88m/s ジュール:0.593J ※BATON airsoft アクリビスバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温30度、[ ACETECH ] AC5000 弾速計にて測定 |
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