PREDATOR TARGET CO2ピストル【JASG認定】
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PREDATOR TARGET CO2ピストル【JASG認定】

レビュー: 金子一也 (Gunsmith BATON 店長)

BATON airsoftの新機軸 JASG認定 固定スライド型CO2ガスガン

ハイパー道楽読者諸氏ならご覧になっている方も多いであろうBATON's blogで2021年8月に発表された「今後の発売目標」という記事中、モザイクのかかったシルエットの写真と、「? CO2 Pistol」なる仮称で話題を呼んだ謎の新製品が、PREDATOR TARGET CO2ピストルという正式名称を冠して、この冬ついに発売される運びとなった。

本製品はBATON airsoft オリジナル製品では初となる、分解不能の固定スライド型CO2ガスガンだが、無論これまでのCO2GBBシリーズ同様、JASG自主規約に基づく認定検査に合格した安全なエアースポーツガンである。
また、メーカー希望小売価格が税込み8,580円というバリュープライスながら、これまでのCO2GBBシリーズ同様、購入後三ヶ月以内なら修理工賃・パーツ代に加え、修理品の受け渡しにかかる往復送料まで完全に無料という万全のサポートが保証されている。

尚、上記のサポートには商品添付の保証書が必須となり、購入後3ヶ月以上経過した場合でも、有料でのサポートを受けられる。
ただこの製品の場合、往復送料と修理工賃、パーツ代を負担するとなると、新たに購入してしまう方が安く上がるかもしれない。

※ユーザー自身で本体を分解した場合は、サポート対象外となります。

PREDATOR TARGET 右
PREDATOR TARGET 左

スペック


全長 196mm
重量 378g(本体のみ)
銃身長 130mm (インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 13発
価格 8,580円(税別)
発売日 2021年12月中旬
動力源 CO2カートリッジ式ガス
初速 最高: 82.6m/s
平均: 80.1m/s
最低: 77.5m/s
ジュール: 0.642J
※BATON airsoft アクリビスバイオBB弾 0.2g使用、10発での測定、気温17度

意外な実用性を備えたオリジナルデザイン

マズル

今回もそのディティールを銃口周りから見て行こう。
フレーム中央に分割線が見える通り、基本的にはいわゆるモナカ構造の製品なのだが、スライドは一体成型の別パーツが被せられているため、極端な安っぽさは感じないはずだ。
また、スライド前面に見えるマズルとリコイルスプリングガイドの先端は、それぞれ別パーツをはめ込む形を採っており、いかにもスライドが動きそうな雰囲気を演出している。

スライド

マズル内を覗くと、実際にBB弾が通るインナーバレルは、マズル内の下側に偏心しているのが見て取れる。
一般的なガスガンを見慣れた眼には奇異に映るが、グリップを握った腕とバレルの軸線が近くなっているという点では、ある意味、理にかなった構造とも言える。
尚、トリガーを引くたびにインナーバレルが数ミリほど前方に突き出して引っ込む構造になっているが、これはインナーバレルがバルブを叩くハンマーの役割を担っているためだ。

スライド刻印

スライドの左側面には、PREDATOR TARGETのロゴがプリントされており、良いアクセントになっている。
同じくフレーム左側には、JASG認証を取得したBATON airsoftの製品である証と、固有のシリアルナンバーが、レーザーマーカーによって刻まれている。

パッケージ

このシリアルナンバーは製品の箱と、同梱の保証書に紐付けされており、出荷日時から販売経路に至るまで、株式会社バトンTradingで厳密に管理されている。
購入後三ヶ月間のガス漏れ無償修理保証という万全のアフターサービスは、この管理システムによって実現しているのだ。

取説
梱包

尚、販売価格を抑えるため、製品が収められている箱に取り扱い方法を印刷し、発泡スチロール等の緩衝材も廃して、徹底したコストカットを図っていることにも注目していただきたい。

フロントサイト
リアサイト

フロントとリアの両サイトはグロックのデザインを踏襲した形状となっているため、多くのトイガンユーザーが違和感なくターゲットを狙えることだろう。
素早いサイティングのため、前後サイトにホワイトダットを入れても良さそうだ。

スライド上部
サイトピクチャー

グロック同様、極めて簡素なサイトだが、両腕を伸ばした際、リアサイトのノッチに収まったフロントサイトの両サイドに、0.1mm程度の隙間が出来る理想的なサイトピクチャーが得られ、スムーズなサイティングが可能だ。

アンダーレイル

フレーム下面のピカティニー風アンダーレールは、幅が21.4mmとやや狭いものの、一般的なウェポンライト等の取り付けが可能となっている。
ただし、側面からネジで固定するタイプのデバイス以外だと多少ガタつきが生じるので、アルミテープを挟む等、何らかの工夫が必要だ。

尚、画像でわかるように、フレームのダストカバー部分が左右に張り出しているため、対応するホルスターが限られるだろう。
フレームが削れて左側面のシリアルナンバーが消えたりするとと、ガス漏れ発生時等のサポートが受けられなくなってしまうので、注意していただきたい。

グリップ
グリップ前

グリップまわりのデザインは、中央部の星型モールドだけ見ると、ノリンコ社の製品を思わせる雰囲気だが、全体的には様々なハンドガンのデザインをミックスしたような、見たことがありそうでいて似た銃が見つからない不思議な形状となっている。
強いて言うなら、グリップはCZ社の、トリガーガードはS&W社の製品に近いものがあるだろうか。

グリップそのものはかなり細身で握りやすく、手が小さいシューターでも無理なくトリガーを引くことが出来るはずだ。
また、バレルの軸線に近い位置を握るハイグリップが可能な上、直感的にターゲットを狙った際、ナチュラルに前後サイトが重なり合う自然なグリップアングルとなっているのは、この製品の特筆すべき点と言えるだろう。
マガジンバンパーに見える部分は一体成型のモールドだが、両手で構えた際にサポートハンドの小指がちょうど収まる形状になっている。

セフティオン
セフティオフ

強めのカーブがかかった金属製トリガーはダブルアクションオンリーだが、さほどストロークが長くなく切れが良いため、無造作に撃っても大きく銃口がブレるようなことは無い印象だ。
マニュアルセーフティは、画像中赤い矢印で指したボタンが担っており、左側から右側に押し込むとセーフティがかかり、右側から左側に押し込むとセーフティが解除される仕組みとなっている。
咄嗟の操作は難しいかもしれないが、このボタンで物理的にトリガーをロックしてしまう堅実な構造なので、高い安全性が確保されているのは間違いない。

マグキャッチ

表面に複数の凸モールドが施された短めマガジンキャッチボタンも金属製で、はっきり意識してボタンを押し込まないとマガジンが排出されないが、決して固すぎることは無いという、節度ある作りになっている。
サバゲフィールド等で、気がついたらマガジンが失くなっていたという経験をした方は少なくないと思うが、この作りならその心配は不要だろう。

マガジン
細いマガジン

マガジンキャッチボタンを押し込むと、細身のマガジンが自重でするりと抜け落ちて来る。
いわゆるところの割り箸マガジンだが、本体は金属製のしっかりとした作りで、装弾数は13発。
マガジンフォロワーをいっぱいに引き下げて、中央下部の穴から流し込むか、一般的なBBローダーを使用することでBB弾を装填出来る。
尚、マガジン上部にBB弾を押さえるロック機構が設けられているが、マガジンを落としたり、先端部をぶつけたりすると、装填したBB弾が一気に吹き出してしまうため、取り扱いには注意が必要だ。

CO2カートリッジの固定には開放型インナーシャーシを採用

CO2装填口
CO2蓋

上述した通り、PREDATOR TARGETのマガジンにはBB弾しか入らないため、グリップ内部、マガジンハウジング後方にCO2 12gカートリッジの装填スペースが設けられている。。
グリップ底部に見える金属製ベースカバーを付属の六角レンチで取り外すと、CO2 12gカートリッジ装填スペースが口を開ける。

尚、グリップには金属製のインナーシャーシが内蔵されているが、これはBATON airsoftのCO2GBBシリーズに採用されているCO2マガジンと同様に、気密室を持たないいわゆる開放式の構造となっているため、通常使用時にグリップが破裂するような心配は一切不要だ。
ただし言うまでもなく、CO2 12gカートリッジが装填された状態でストーブの前や炬燵の中、または真夏の車中や直射日光下に放置すると非常に危険なので、厳重に注意していただきたい。

カートリッジ

銃本体へのCO2 12gカートリッジの装填は、やはりBATON airsoft製CO2マガジンと同様、カートリッジ先端の細い方からグリップ内に挿入し、ベースカバーで締め込むスタイルを採っている。
無論、ベースカバーを締め込む際、一度反時計方向に回してネジ山が噛み合う位置を探ってから、強く締め込んで行く必要がある点も変わりはない。

シンプルな発射機構が生む驚異の低燃費

固定スライドガスガンとして割り切ったシンプルな構造は、12gのCO2ガスをすべてBB弾の発射に使えるため、純正対応品であるPUFF DINO CO2 12gカートリッジ1本あたり、200発以上の発射が可能という燃費の良さを実現している。

※気温が低いとCO2ガスの気化効率が低下するため、発射可能弾数が少なくなります。
同様の理由により、極端に速い連射を行った場合も、燃費が低下します。

固定ホップ

この低燃費を実現しているシンプルな内部構造ゆえ、弾道の安定性や命中精度は「お値段相応」だが、もともとノンホップモデルだったところを、日本国内、Gunsmith BATONで全丁を加工することにより、固定ホップ仕様へと改良。BB弾の到達距離を伸ばすことに成功している。

充分に遊べる実射性能

その性能を試すべく、急激に冷え込んだ11月後半の弊社屋内ロングレンジにて実射テストを行ったところ、アクリビスバイオBB弾0.2g使用時、20m先のEタイプシルエットターゲット(ハイパー道楽様寄贈)のセンター狙いで、8割方の弾を命中させることが出来た。
尚、同ターゲットに集弾させることこそかなわなかったが、30m地点のバックストップまで充分なホップ弾道を保ったまま飛んでいたので、サバゲでの牽制にはそこそこ役立つと思われる。
また、10mの距離であれば、直径15cmの円形ターゲットでも9割程度の命中率が得られたので、インドアフィールドでのサバゲーや、近距離での的あて(ブリンキング)なら充分に使える性能と言えるだろう。

PREDATOR TARGETは低燃費ゆえに、200発も過ぎると動画のように徐々に初速が低下していく。なかなかCO2が完全に無くならないので、CO2カートリッジ交換のタイミングが難しいと思う。

もちろんCO2カートリッジ交換でベストなのは、カラ撃ちしてガスが完全になくなってからではあるのだが、明らかに初速が落ち、弾が10mも飛ばないようになった状態なら、カートリッジ内の液化CO2はほぼ無くなっているので、多少の残存した気化ガスは出るがカートリッジを外すことも可能。ただし、ガスは出るのでゆっくりとベースカバーを回すこと(※まだ液化CO2が残っているときはベースカバーに圧力がかかり普通は固くて回せない)

CO2GBBシリーズ

これまでCO2GBBシリーズを多数リリースして来たBATON airsoftが放つ新機軸、固定スライドCO2ガスガンの第一弾となる、PREDATOR TARGET CO2ピストル。
驚くほど迫力のあるCO2GBBシリーズに比べると発射音もかなり静かなので、自室内での的あてを気兼ねなく楽しむことも出来るだろう。
総合的な性能はあくまで値段相応だが、トリガーを引くだけでBB弾を連射出来るセミオートガスガンの醍醐味が、気温の低い環境下でも楽しめるというのは、CO2をパワーソースとする本製品ならではの魅力となるに違いない。
その発売日も、寒さの厳しくなる12月中旬を予定しているので、年末年始の手軽なエアガン遊びに、是非ともお使いいただきたい。

固定スライドCO2ガスガン

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PREDATOR TARGET CO2ピストル【JASG認定】


2021/12/01


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