King Arms CO2ガスガン BLACK MAMBA
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King Arms CO2ガスガン BLACK MAMBA

レビュー: 金子一也 (Gunsmith BATON 店長)

King Arms 社がM1A1パラトルーパーのバリエーションモデルとして2020年秋にリリースしたCO2ガスブローバックライフル BLACK MAMBA。
この新製品が、日本国内向けに独自の改良を施され、JASG認定 CO2ガスガンとして、Gunsmith BATON から発売される運びとなった。

法規制を遵守した弾速の調整はもちろんのこと、ユーザーレベルでの分解を不可能とするワンウェイバルブ を採用し、日本仕様CO2ガスガンとしての高い安全性が確保されている。

尚、BLACK MAMBA(ブラック マンバ)という名称は、アフリカ大陸のサバンナに生息するコブラ科の毒蛇をイメージしたものだ。

BLACK MAMBA


実銃用パーツメーカーとのコラボレーション製品

コラボレーション製品

この BLACK MAMBA(ブラックマンバ)は、台湾の老舗エアガンメーカー King Arms社と、アメリカの実銃用パーツメーカー Choate Machine&Tool社の初のコラボレーションによるCO2ガスブローバックガンである。

Choate Machine&Tool社は、1972年に米アーカンソー州で設立された比較的新しい企業だが、今や全世界の有名銃器メーカーに向けた各種パーツのOEM生産をしているトップメーカーのひとつに数えられている。

その特徴的なストックはアメリカの実銃用パーツメーカーである Choate Machine&Tool社がリリースしている、M-1 Military Side Folding Stockの内部を、ガスガンのレシーバーが収められる様にひとつずつ加工しているという贅沢な代物だ。

ちなみに社名の「Choate」は同社創立者の名前で、「チョート」と読むそうだ。

モダナイズ版M1A1カービン

先に述べたように、本製品はKing Arms社のCO2ガスガン、M1A1カービンの機関部を日本仕様に改良し、実銃用ストックを装着した物となっている。
もともとのM1A1カービンも折りたたみ式の木製ストックを備えているので、ナイロンポリマー製のフォールディングストックを備えたBLACK MAMBAは、M1A1カービンのモダナイズ版と言っても良いだろう。

マズル
フロントサイト
まずはM1(A1)カービンとしてのディティールを、銃口周りから見て行こう。
左右に開いたウィングが特徴的な固定式フロントサイトはダイキャスト製で、天面のイモネジでアウターバレルに固定されている。
そのシルエットが現在のM4A1に良く似ているのは、米軍正式カービン銃としての血統だろうか。

アウターバレル
アウターバレル基部のバヨネットラグはダイキャスト製の一体成形ながら、プレスで作られた実銃の形状を上手く再現している。
実際にバヨネット(銃剣)を装着出来るかは不明だが、材質的に見て、実用に耐える強度は望めないだろう。

スリングスイベル
ストック先端
バレル基部とストック先端を固定するフロントバンドとスリングスイベルは、実銃通りスチール製のプレス加工品で、雰囲気を高めると同時に、スリングで吊っての運用に耐える強度を確保している。

機関部
ストックから浅く露出した機関部も、機能美に溢れる独特なラインが見事にトレースされている。
オペレーティングスライドと共に後退するダミーボルトが、わずかながら回転する様は、ロータリーロッキング機構を感じさせてくれる嬉しいポイントだ。

ボルトストップ
二次大戦当時に作られた軍用銃は、いわゆるボルトストップ機構が搭載されていない物が多く、M1(A1)カービンもその例に漏れないのだが、オペレーティングスライドを引き下げつつ、ハンドル部分付け根のピンを押し込むことで、ホールドオープン状態を保持出来る機構が備わっている。
無論、本製品でもその機構は再現されているが、実銃とトイガンを問わず、チャンバーのメンテンナンス等に役立つ便利な機能と言えるだろう。

ホップ調整用のイモネジ
画像中、赤丸で囲った部分に見られる実銃に無い切り欠きは、その奥に収められたホップ調整用のイモネジにアクセスするために設けられたものだ。

6角レンチを差し込み
ここから6角レンチを差し込み、右に回すとホップが強く、左に回すとホップが弱くなる仕組みなのだが、右方向に締め込み過ぎるとホップ調整機構が破損する恐れがあるため、取り扱いには注意が必要となる。

リアサイト
リアサイト後ろ
M1カービンシリーズ共通のリアサイトも、小振りでありながら非常に狙いやすい優れたデザインが良く再現されている。
実銃通り左右の調整が可能で、右側に突き出した大振りなヴィンテージノブは確実な操作を助けてくれる。
残念ながら、リアサイトの上下調整機構は省略されているが、いかにも動きそうなモールドが雰囲気を高めている。

トリガー
ダイキャスト製のトリガーとトリガーガードも、美しいカーブを描く実銃の繊細なデザインを忠実にトレースしている。
トリガーガード前方のレバーはマニュアルセーフティで、上の画像はセーフポジションの状態。

セーフティ
こちらの画像はセーフティが解除され、撃発が可能になった状態。
セーフティレバーは小振りなものだが、トリガーフィンガー1本でセーフティの解除が行える優れたデザインだ。
尚、射撃モードは実銃の M1A1 と同じく、セミオートのみとなっている。

マガジンリリースボタン
セーフティレバーの前方にはマガジンリリースボタンが設けられており、これもトリガーフィンガーでの操作が可能となっている。
右手での操作が前提ではあるが、射撃に関する主要なオペレーションがグリップ部分を握った手の人差し指で行えるというのは、この銃が誕生した年代を考えると、実に先進的な設計思想だったといえるだろう。

使い勝手に優れた実銃用ストック

ストック
ここからはストック周りに注目して行こう。
上面に20mmレールが設けられたハンドガードはCNC加工によるアルミ合金製で、US M1 Carbine Forward Optic Mountと呼称されるKing Arms社のオリジナル製品。
19スロットのレールマウントは、幅広い光学機器の搭載を可能としている。

ナイロンポリマー製
ナイロンポリマー製のストック表面はなめらかな手触りだが、フォアエンドの両側面には蛇の鱗を思わせるダイヤパターンのチェッカーがモールドされており、高い滑り止め効果を発揮してくれる。

30 CAL. CARBINEの文字
マガジンハウジング部分の両側面に刻まれた30 CAL. CARBINEの文字が、このストックがM1(A1)カービン用であることを表している。

尚、M1カービンで採用された 30キャリバーカービン弾は、戦時中こそ威力不足が指摘されたものの、現在ではその扱いやすさから、民間の狩猟用やホームディフェンス用として人気を博しているようだ。

マガジンハウジング
マガジンハウジング部分を下から覗くと、実銃用ストックとの親和性の高さが良く分かる。
King Arms社のM1A1がもともとリアルな造りだったからこそ、このコラボレーションが実現したのだろう。

グリップ
CHOATE TOOL CORP.
ストックと一体になったグリップはややきつめのアングルになっているが、構えた際のフィーリングはすこぶる良好だ。
また、両側面上方にはご覧の通り、CHOATE TOOL CORP.の社名がモールドされている。

ストック
ストック基部のスチールフレームを包み込んで成型されたバットストックは、実銃用ならではの頑丈さで、多少ラフに扱った程度ではびくともしないであろう剛性の高さを備えている。
ガッチリ固定されたゴム製のリコイルパッドも当然ながら実銃用で、肩にしっくり馴染む感触を楽しませてくれる。

ストック基部
見るからに頑丈そうな分厚いスチール製のストック基部上面には、作り付けのスリングスイベルと、フォールディングストックのロック解除用ボタンが設けられている。

ストック折り畳み1
ストック折り畳み2
ストック折り畳み3
ストック展開状態でロック解除用ボタンを強く押し込むと、ストック基部の結合が解けて、右方向への折りたたみが可能となる。
尚、この状態でもロックが効いているので、運搬の際等にストックが不用意に開いてしまうようなことは無い。

ガッチリ固定
ストックを畳んだ状態で後方から基部の奥を覗くと、分厚いスチール製のストック基部が、太い六角ボルトでガッチリ固定されている様子が見て取れる。
実銃用ストックならではの本格的な造りと言えるだろう。

フロントビュー
ストックをたたんでのフロントビュー。
無論この状態でも射撃は可能なので、状況によって使い分けるのも良いだろう。
また、ストック展開時で920mmある全長が685mmまで短縮されるというのは、保管や運搬の面で魅力的なポイントだ。

安全性と実射性能に優れたCO2マガジン

マガジン
マガジン2
付属のCO2マガジンは実物と比べるとやや太めになっているが、これはCO2 12gカートリッジを装填するために必要な措置だろう。
装弾数は15発で、マガジン単体の重量は580g。
上述した通り改造防止のワンウェイバルブを備えた、安全性の高いJASG認定品として作られている。

CO2カートリッジ
CO2カートリッジ2
CO2カートリッジのセット方法は、Gunsmith BATON から発売されているCO2 マガジンと同じく、マガジン底部中央の蓋(ベースカバー)を外すと現れる挿入口に、CO2 カートリッジを先端から挿し込み、付属の六角レンチでベースカバーを一気に締め込むスタイルだ。

CO2カートリッジ3
尚、ベースカバーを締め込む際は、画像のようにマガジンを立てた状態で行うことで、パッキン類を保護することが出来る。
マガジンを逆さまにしてベースカバーを締め込むと、CO2カートリッジの先端が破れた瞬間、マイナス56.6℃にもなる液化ガスが吹き出してパッキン類の寿命を大幅に縮めてしまうので、注意する必要がある。

充分な安全対策が施された CO2マガジンは、金属製のボルトが強烈な勢いで作動する、鋭いブローバックを実現。
頬付して撃つと、思わず目を瞑ってしまうほどの迫力に満ちている。

保証対応であるPUFF DINO CO2 12gカートリッジをセットして燃費をテストしたところ、1秒に1発程度の連射であれば、空になったマガジンにBB弾を込めるインターバル込みでの実用性能が40~45発程度。
途中、マガジンを温めることにより、最大70発程度の発射が可能だった。

上記のテストは2月の寒い時期に行っているため、気温が上がることで違った結果が見られるはずだが、複数のマガジンを用意し、15発毎にローテーションさせるのが、本機の美味しいところを味わえる運用方法になるだろう。

弾道について、0.2g弾を使用した場合はホップを最弱にしてもやや効き過ぎの印象があるが、0.25g弾との相性は良好で、伸びのある素直な弾道が確認出来た。
20m以遠の標的を狙う際には、重量弾の使用をお勧めしたい。


台湾屈指のトイガンメーカーであるKing Armsと、実銃向けアクセサリーのトップメーカーであるChoate Machine&Tool社がタッグを組んで生み出した、CO2GBBライフル、BLACK MAMBA。

Gunsmith BATONによる日本向けの改修でJASG認証を獲得しているため、全国の小売店で購入することが可能、しかも購入後3ヶ月間の無償保証が受けられるというのは、ユーザーにとって非常に大きなバリューだ。

CO2GBBならではの鋭いリコイルを生み出す機関部を実銃用ストックに包んだ、本物の香りがするライフルの魅力を、是非ともお確かめいただきたい。

スペック


全長 685mm ~ 920mm
重量 2,315g(本体のみ)
銃身長 255mm (インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 15発
定価 79,800円 (税別)
発売日 2021年4月1日発売予定
初速 最高 88.4m/s
平均 87.4m/s
最低 86.3m/s
ジュール 0.76J
※BATON airsoft アクリビスバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温20度

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ICO [ King Arms ] BLACK MANBA CO2GBB 【JASG認定】


2021/03/04


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