東京マルイ SAA.45 アーティラリー エアガンレビュー
東京マルイのエアリボルバーシリーズに西部劇の銃、シングル・アクション・アーミー(SAA.45)が登場!!
ガスガンやモデルガンとの違いや、実際の射撃動画も踏まえて、その魅力を動画でご紹介します。
アメリカ軍の制式採用拳銃、SAA
SAA(シングル・アクション・アーミー)はその名の通り、コルト社製のシングルアクションのリボルバーで1875年にアメリカ陸軍に制式採用された。弾薬は.45ロングコルト弾を使用する。1911年にM1911コルトガバメントが制式となるまでの間使われており、アメリカ人の.45口径信望はここから生まれたといっても良い。
SAA以前のリボルバーは、雷管と火薬と弾頭が別々のパーカッションピストルが広く普及しており、コルトとしては初の本格的なメタルカートリッジ式弾薬を採用したことで、装填時間の短縮や発火の確実性が格段に向上した。
SAAは悪を倒し平和をもたらすものという意味を込めて「ピースメーカー」というニックネームがある。
さらにバレル長が7.5インチが「キャバルリー(砲兵)モデル」、5.5インチが「アーティラリー(砲兵)モデル」、4.75インチが「シビリアン(市民)モデル」と呼ばれ区別されている。
1870年代に発売されたSAAは第二次世界大戦で製造中止となり、戦後に再生産された。前者がファーストジェネレーション、後者がセカンドジェネレーションと呼ばれている。
マルイはこのセカンドジェネレーションのアーティラリーをモデルアップしている。
西部劇は1930年代以降、アメリカ映画によって世界的に波及し、1960年代になるとイタリア製のいわゆるマカロニ・ウエスタンが数多く制作され黄金期を迎える。日本でも多くの名作が上映、TV放映され1950~60年代に西部劇ブームが巻き起こった。その影響もあり、西部劇の銃は主人公たちが劇中で使っていたセカンドジェネレーション、というイメージが強く残っているファンが多い。
パッケージから取り出してみると、まずは見た目に反して軽めの印象。さすがに10歳以上対象のエアリボルバーとあってカートリッジを装填しても435gとなっている。パッケージ内容は本体、保護キャップ、カートリッジ6発、クリーニングロッド、ホップ調整ツール、BB弾少々、取説。
バレル長が5.5インチの「アーティラリー(砲兵)モデル」。バレル上部にはしっかりとコルトのメーカー刻印が入り、左側面にはシングルアクションアーミー.45の刻印も再現されている。インナーバレルはアルミ製で70mm。
エアガンオリジナルのマニュアルセーフティはフレームのネジ。ハンマーをコックした状態で、左から押すことでトリガーがロックされる。反対側から押せばセーフティ解除になるクロスボルト式だ。
コッキングはエアリボルバーとしてはかなりスムーズ。パイソンシリーズよりも軽く感じる。
カートリッジは6発が付属し、BB弾を弾頭部にセット。可変ホップアップが採用されており、チャンバーのダイヤルを付属の治具で調整する。
ハンマーは触った感触だと樹脂製に思えるが、非常に固い素材で、その色味からナイロン樹脂製ではないかと思う。ハンマーノーズは引っ込む仕組み。フレームももちろん樹脂製だが、コッキングしてもギシギシすることなく、全体の剛性は高い。トリガーは亜鉛ダイキャスト製。
なお、ハーフコック、フルコックの位置からトリガーを引いてハンマーを戻そうとすると、エアシリンダーから空気が流れてしまい、不意に弾を発射してしまうことがある。説明書にもあるが、一度コックしたら、発射してハンマーダウンさせるという独自のお作法となっている。
グリップは内部にエアシリンダーを内蔵する都合上、やや大きくなっており、モデルガンと比べるとバット部が少し長い。といってもスタイルに違和感があるほどではない。グリップパネルの交換はできないが、コルトの跳ね馬のメダリオンも再現されている。
ローディングゲートやエジェクターロッドも実銃同様に操作できる。ハンマーをハーフコックの位置にしてリアルなカート6発を装填する。
このカートリッジは樹脂製ながら.45 COLT弾をリアルに再現しており、リアルダミーカートと比べても1mmほど長い程度で、ループ付きのピストルベルトにもしっかり固定できるのが嬉しい。ケースやブレットの色も実物に近い再現度だ。
リムの刻印も再現される。マルイのカートリッジはボトムの中心部を押し込むと弾頭が飛び出し、BB弾を保持しつつチャンバー位置まで前進させる機能がある。
フレーム内には金属製のインナーシャーシが組み込まれており、剛性を確保している。
チャンバーとインナーバレルは銃口側から錘を兼ねたソケットナットで絞めこまれている。そのため前後のバランスは良い。
実射性能
さすがに10歳以上対象のローパワーということもあり、実射性能は18歳以上対象と比べるまでもないが、今回も屋外のシューティングレンジにて実射テストを行った。
0.12gのバイオBB弾で10m先のマンターゲット上半身には余裕で当てられる。0.2g弾だとホップ最大でもドロップ気味に飛んでいく。
15mでは0.12g、0.16gくらいまではホップ調整でまっすぐ飛ばせるが、0.2g弾だとかなりドロップ気味でマンターゲット腰くらいに着弾。
20mでは0.12g弾で届くがマンターゲットに当てるのはかなり難しく思えた。0.2g弾ではパワーが足りずにターゲットに届かなかった。
SAAにはやはりレザーホルスターが似合う。こちらはウェイランド イシカワのレザーホルスター。シビリアン、アーティラリーのバレルレングスに対応する。フィット感もバッチリ。
総評
マルイのSAAはグリップが少し太いものの、全体的には10歳用とは思えない外観で、西部劇ごっこのエントリーモデルとしてはおすすめだ。命中精度はこのタイプとしては高いので、インドアサバゲーなどでも気軽に楽しめそう。ただ残念なのは価格が12,800円(税別)と10歳以上対象としては高めの設定であることだ。
まぁ、しかし、まさかマルイがSAAを発売するとは思いもよらなかった。昨今の西部劇ごっこの人気ぶりを見ても、再び西部劇というジャンルがトイガンの遊び方の一つとして見直されているという証拠だろう。
マルイにはこの勢いで、ぜひウィンチェスターライフルも発売してほしいところだ。
米軍の最新装備を追いかけるのも良いのだが、それにちょっと飽きたという方、150年前に時を戻して、西部劇ごっこのほのぼのした雰囲気に包まれ、ウエスタンハットとガンベルトを纏い、休日の午後をまったりと過ごしてみるのも良いんじゃないだろうか。
スペック
全長 | 285mm |
重量 | 435g (カートリッジ含む) |
銃身長 | 70mm(インナーバレル長) |
装弾数 | 6mmBB弾 6発 |
定価 | 12,800円(税別) |
発売日 | 2022年4月19日 |
初速 | 平均ː39.6m/s、0.094J ※気温24.9度、湿度48%、東京マルイ0.12gバイオ弾使用、6発での計測、ホップアップ適正、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。 |
撮影協力:東京サバゲパーク、ウェイランド イシカワ
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