MODIFY ガスガン PP-2000 CO2GBB
レポート:戸井 源太郎
ロシアのコンパクト・サブマシンガン!!
話題のCO2ガスブローバックの台湾メーカーのMODIFY PP-2000がJASG認定モデルとして、ついに発売されました。ロシアが特殊部隊用に開発した独特なスタイルのコンパクトSMGです。その性能を実射テストを含め、詳細をみていきましょう♪
実銃のPP-2000はロシアの軍・警察の特殊部隊用のSMGとして2004年に採用されています。作動方式はストレートブローバックで、使用弾は西側スタンダードの拳銃弾の9mm x 19のいわゆる9mmパラベラムです。その他に、より貫通力が高い9mmx19mm 7N31カートリッジも使用可能とのことです。
独特なスタイルを忠実に再現しています。構成も実銃と同じく、ロアフレームは樹脂製で、ボルトが搭載されているアッパーは金属製となっています。ストックはもちろん折り畳み可能で、ストックを畳んだ状態でもフォアグリップを握って、トリガーを引けます。この鈍い黒光りするその出来栄えはトイのレベルを超えています。本体には装弾数22発のCO2用のショートマガジンが付属しています。ただ、CO2ガスカートリッジのスロットがちょっと見えるのが残念です。
PP-2000は豪華な専用のハードケースが付属しています。ケースサイズは40 x 29 x 10cmです。
蓋側のスポンジの裏に保証書、取説など各種書類にオリジナルパッチなどが入っています。射撃前、いや触る前に取説をしっかり読みましょう。禁則事項などもある場合もあり、破損の原因になりかねません。
海外製のトイガンによくみられるちょっとしたメカの不具合をBATONで改良した完全日本モデルです。トイガン業界団体のJASGの認証を受けており、日本の法規制にも準じています。外観も見る目の厳しい日本のユーザーも納得できる完成度です。
レシーバートップにはアルミ製の20mmレールを標準装備しています。レールの前には簡易のリアサイトも搭載しています。
トリガーガードが大型化され、フォアグリップを兼ねています。トリガーは円柱を抉ったような欧米ではみられないトリガー形状です。トリガープルは約1.1kgと軽めで引きやすいです。
セレクターは左側にあり、射撃モード順はセフティ(白)→フル(赤点x3)→セミ(赤点x1)とポジションはAKと同じです。
そして重要なことです。セレクター操作には注意が必要です。以下、BATONのWEBから転載です。
1. セレクター位置がセーフティの状態でボルトをコッキングしない。
2. 全弾撃ち終わったあとは、マガジンを抜く前にセレクターをセーフティポジションに動かさない。
3. ジャム等でボルトが途中で止まった際は、セレクターを操作しない(ボルトをコッキングしなおしてからセレクターを操作する)。
「このMODIFY製PP-2000は、セレクターの機構も実銃に則しているため、こうした正確な操作手順が必要となっている」とのことです。無理に操作すると破損の原因になりますので、絶対守りましょう。
バレル上にみえるチューブはコッキングハンドルです。先端が左右に曲げて操作します。ただリターンスプリングがないため、先端を戻してあげないといけません。また射撃するとその衝撃でどちらかに曲がってしまうことがあるので、ここは改善してほしい点です。
コッキングハンドルを引くとエジェクションポートが開きます。シルバーに見えるのはチェンバーです。
可変ホップアップの調整はトリガーの後ろにあります。付属の六角レンチで調整します。ハンドガンみたいに都度分解せずに調整できるので便利です。時計回りでホップがかかります。ただしホップを緩めすぎると調節用のネジが脱落してしまうので注意してください。
バードケージタイプのハイダーを装着、そしてなぜかピンが抜けかかっている? いえ、これがデフォルトなんです。詳細は後述します。フロントサイトは実銃同様上下に調整可能です。
スチール製のシンプルで丈夫なストックは折り畳み可能です。
本体後部にあるボタンはストックのロック解除ボタンではありません。ストックを折り畳む時はストックを少し持ち上げて、ロックを外します。では、このボタンを押すと……。
なんと! ストック自体を取り外せます。そして、このストック基部の形状はマガジンと同じなのです。
このPP-2000はスペアのマガジンをストックにもできるのです。
バットプレート部の面積が小さいですが、ストックとして機能し、安定して狙えます。
PP-2000はメンテナンスのために簡単に通常分解ができます。まず、フォアグリップの内側にある金属の棒状の方を前側に押します。
それだけで、アッパーとロアーレシーバーに分解(テイクダウン)できます。
チェンバー部にホップアップ調節用のネジが見えます。ハンマーはY字型をしています。
チャージングハンドルごとボルトも抜けます。
マガジンはショートのフロンガス、CO2とロングのフロンガス、CO2の計4種揃っています。装弾数はショートが22発、ロングが56発となっています。
MODIFY PP-2000 CO2ショートマガジン【JASG認定】/7,722円
MODIFY PP-2000 ガスショートマガジン/5,742円
MODIFY PP-2000 CO2ロングマガジン 【JASG認定】/9,702円
MODIFY PP-2000 ガスロングマガジン/7,722円
BB弾はローダーを使って上からでも、フォロアーを下げて、スリットの幅が広くなったところからでもBB弾を装填できます。
フロンガス用のマガジンはガス缶で底部からガスを注入します。注入しても音がしないので、ガスが入っているのかがわかりにくいです。
CO2用マガジンはサイドからガス缶を装填して、底部から4mmのレンチで締めます。使用するCO2は「PUFF DINO」かJASG認定のCO2 12g カートリッジを使用してください。他ブランドのCO2カートリッジを使用すると故障の原因になり、保証対象外になりますので、注意してください。
底部からCO2カートリッジを押し上げます。カートリッジを装填時も、“シュッ”と一瞬、小さな音がします。締めすぎないよう注意しよう。
実射テスト
今回の実射テストはCO2をメインに行いました。
CO2で射撃してみて、まず鋭いブローバックと迫力ある音にびっくりします。ブローバックスピードはかなり速いです。ボルトがあまり重くないので、コントロールできないほど銃は暴れません。撃ちやすいです。フルオートのサイクルも18.96発/秒と、非常に速いのですがコントロールは容易です。セミ、フルどちらも小気味よいリコイルが快感です。
精度は0.2g弾、025g弾のどちらも20mでもほぼターゲット中心の円内、ボディヒットが確実な精度があります。30mならマンターゲット上半身が狙えます。どちらの距離でもやはり重い025g弾の方が精度はよいですね。
12gのCO2カートリッジ1本で約120発撃てましたので、燃費もかなりよい方だと思います。
射撃感や作動や精度に関しては特に問題はありませんが、気になったところとしては、ホップアップのおいしいところを出すのが少々苦労しました。射撃では、稀にドロップやフライヤーが出ました。しかし、このPP-2000のサイズからも野戦よりCQBで戦う方の方がほとんどだと思います。フライヤーが発生以前での交戦距離の戦闘がほとんどだと思いますので、それほど問題ではないでしょう。
またCO2ガスといえどもロングマガジン1本のフルオートはキツそうです。途中が息が詰まったり、サイクルが乱れることがあります。フルオート時は5、6発のバーストの短連射なら快調です。CO2ガスブローバックの鋭いリコイルと迫力ある発射音、射撃が楽しくて、二人でかなり撃ちまくりました(笑)。近距離のバラマキSMGとして最高に楽しめました。
しかしPP-2000はこれだけではありません。専用アクセサリーも充実しているのです。
PP-2000のオプション装備でコッテコテに!!
MODIFY PP-2000 タクティカルライト/10,692円
まるでグレネードランチャーのような大型のタクティカルライトです。実用できるだけの明るさもあります。
ベゼル部を外してCR123Aを3本装填します。電池3本は付属しています。
後端にはリモートスイッチ用のジャックと中央にスイッチボタンがあります。
上部にあるレバーを開いた状態で、PP-2000のフォアグリップに装着します。
MODIFY PP-2000 サイレンサー/6,732円
PP-2000用のロングサイレンサーです。バッファーも入っており多少消音効果もあります。 ただガスブローバックなので作動音が大きく、低音化された発射音を楽しむ雰囲気重視といったところでしょうか。
PP-2000のフラッシュハイダーの下面にあるイモネジをレンチで緩めて外します。逆ネジになっています。
サイレンサーをバレルに装着しますが、その時、サイレンサーから出ている突出部にあの飛び出ているピンに引っ掛けるのです。
アクセサリーをフル装備したPP-2000。ダットサイトはノーベルアームズ製のオープンミニドット、MRSを搭載しました。デタッチャブルな、このゴテゴテ感はマニア心をくすぐります!
暗がりも多いインドア戦ならタクティカルライト、ダットサイトは必須のアイテムです。またフル装備でもコンパクトで動きやすく、狭い場所でも行動を制限しません。PP-2000にアクセサリーをフル装備で、気分は特殊部隊?
MODIFY PP-2000 ホルスター/6,732円
アクセサリーはサイレンサー、タクティカルライトだけではありません。PP-2000専用のホルスターもラインナップしています。
ホルスターを使用するには付属のピンを銃本体にあるスイベルリングと交換する必要があります。
右面にあるスイベルリングピンの付け根にあるEリングを外します。Eリングを外せば、ピンは抜けますが、この作業が細かくて、結構大変です。
ホルスターに付属しているピンに換装し、反対側をEリングで固定します。ここはネジ式にするなど、もう少し簡略化して欲しいですね。
ホルスターの凹状のガードがPP-2000本体の形状にピッタリ合います。銃を抜く時は一旦、上に引き上げてから抜きますが、搭載するダットよっては干渉しそうです。
換装したピンがホルスターの溝でしっかりロックされます。
フロンガスのマガジンでも撃ってみました。撮影日は5月でも夏日だったため、快調に撃てました。ただしブローバックはCO2の鋭さには届いていない感触です。精度はCO2と遜色ありませんが、セミでの速射やフルオートでは、ガス圧が低下していきますね。
また、マガジンを直射日光下に置きっぱなしにするなど、マガジンが加熱されると、内部の圧力が高くなりすぎてハンマーがバルブを叩けなくなり、ガスが放出されません。ある意味、安全装置といえますが、真夏の保管には注意してほしい点です。
総評
コンパクトで取り回しのよいSMG、しかもロシア生まれという西側諸国の銃にはない、独特なスタイルにグッときた人も多いのではないでしょうか? しかもエアソフトとして世界初のモデルアップとなれば注目度も高くなります。
もちろん撃ってもよし、その独自の設計思想に通常分解してメンテナンスも楽しい一丁です。
CO2マガジンだけでなく、フロンガス用マガジンまで用意され、純正アクセサリーも満載です。このPP-2000のようにコテコテにアクセサリーを盛れるのはマニア心をくすぐります。
JASG認証モデルですし、GunSmith BATON他、全国有名ガンショップでも購入可能です。ブローバックでバリバリ撃ちまくれるコンパクトSMG、PP-2000はオススメできる1丁です。
スペック
全長 | 370〜590㎜ |
重量 | 1,350g |
銃身長 | 150mm (インナーバレル長) |
装弾数 | 6mmBB弾 22/56発 |
価格 | 本体 49,280円 (税込) |
発売日 | 2021年5月 |
動力源 | CO2ガス / リキッドチャージガスの2WAY |
初速 | 最高:84.72m/s 平均:82.36m/s 最低:80.33m/s ジュール:0.678J 回転数:1,138rpm (18.96発/秒) ※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、屋外10発での測定、気温26.3度、湿度38%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定 |
協力 GunSmith BATON、ビレッジ2
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