マルシン ガスガン ウィンチェスター M1892 ブラック ウォールナット
レポート:戸井 源太郎
マルシンからガス式レバーアクションのウィンチェスターM1892が再登場しました。マルシンの昔からあるスタンダードモデルですが、時代とともに何度もメカを改良してきた2022年度リリースの最新版です。今回も細部と射撃インプレッションをしていきたいと思います。
19世紀後半のアメリカ西部開拓時代の代名詞ライフルといえば、このウィンチェスターですよね。当時ライフルは単発が主流だった時代に、レバーアクションにより素早い連射が可能な画期的なモデルでした。しかもこのM1892はかのジョン・ブローニング氏により設計されたモデルなのです。
西部劇ではレバーアクションはお馴染みですが、機構が複雑で、伏せ撃ちなどに不向きということ。さらにちょうど登場したボルトアクションライフルにより、軍用銃としての第一線から退いていくことになりました。
それではマルシンのM1892を見ていきましょう!!
主要パーツは金属製、ストックやフォアグリップは厳選ウォールナットを採用した高級モデルです。発射方式はガスでもちろんレバーアクションはライブです。
金属製による質感、手にした時の重量感、ウォールナット木材による柔らかい感触と高級感溢れる往年の銘銃に仕上がっています。
また、M1892には、この厳選ウォールナットストックの他、高級ブナストック ダーク2ブラウンモデル、さらにシルバーモデルにストック2種と計4種がラインナップしています。
シンプルなダンボール地のパッケージに納められています。付属品は取説、BBローダー、BB弾、六角レンチになります。パッケージサイズは105 x 20 x 6cmです。
過去に何度もモデル化されているマルシンのM1892は時代とともに進化しています。このモデルでは、ガスタンクのシールで機密性を高め、材質と寸法再設計しています。他にも強化パーツを採用し、耐久性が向上しているそうです。
フロントサイトはシンプルです。バレルの下の筒はショットガンと同じチューブマガジンになっていますが、マルシンではガスタンクになっています。
リアサイトは実銃同様、近距離ならそのまま狙い、長距離はタンジェントサイトを起こして使用できます。ただリアサイトはネジ1本で留められているだけなので、ズレる場合があるので注意してください。
ストックは優雅な曲線で、金属とは違う柔らかく温かい肌触りとウォールナット材により、美しく仕上がっています。
バットプレートは実銃と同様、真鍮になっています。
モデル名、社名やパテントナンバーなどはバレルや、ストック基部に刻印されています。
トリガーも至ってシンプルです。レバーがトリガーガードを兼ねています。
レバーを起こすことで、装填と同時にハンマーを起こします。マルシンのガスガンでもこの機構は再現されています。パーツ同士が可動する“ガチャン”という金属音がしびれます。またガスガンなので、レバーアクション操作もエアコッキングガンに比べて軽いのが嬉しいですね。
レバーを起こすとボルトが後退し、BB弾の装填とハンマーコックが同時に行えます。
ボルト後退位置でチェンバー上に可変ホップアップの調整ネジがあります。付属の六角レンチで調整します。
ハンマーダウン状態です。シングルアクションなので、この状態ではトリガーを引いても撃てません。
左が数mm、ほんの少しだけハンマーが起きたハーフコックの位置。ガスを注入するときはハーフコックにします。右がハンマーが起きた状態です。トリガーを引けば発射できます。
マガジンチューブ先端にあるマイナスネジがストッパーになっています。細いもので、押しながら引き出すとキャップが外れます。
キャップを外すとガスの注入口が現れてます。ガスを注入する時はハンマーをハーフコックにすることを忘れないようにしましょう。
フレーム右面に給弾口があります。その部分を押せば、スロープになり、実銃ではこちらから実包を装填します。マルシンのM1892もここからBB弾を装填します。
付属のBBローダーで装填すれば簡単です。装弾数は24発です。
実射
今回も室内での実射を行いました。BB弾は東京マルイのベアリングバイオBB弾 0.2gです。ホップは一度、最大までかけた後、1回転半ほど戻し、射撃しました。
まず、レバーアクションでコック&ロードします。この独特のアクションと、ジャキンというメカニカルなサウンドが堪りません。ガスガンなので、“ボシュッ!”と篭った静かな発射音です。
実射は距離5mで行いました。この距離ならグルーピングは10cm以内に集弾します。素性は悪くなさそうです。
ただ暖かくなってきたとはいえ、3月中旬では、まだガスガンには厳しいのか初速は少し低めでした。しかし速射しても冷えて撃てなくなることはありませんでした。
余談ですが、以前使用していたエアコッキングのレバーアクションでは、レバー操作でコッキングするので、それなりに重く、速射すると中、薬、子指の甲が痛くなるというレバーアクションに対する印象がありましたが、マルシンのM1892はそういったこともないので、つい楽しくて、200発くらい撃ってしまいました。
さすが老舗の日本トイガンメーカーのマルシンです。射撃中トラブルはなく、全弾問題なく射撃できました。
総評
主要パーツは金属製でその質感と重量感、そしてストックは高級ウォールナットの鮮やかな色合いとその感触と外観の完成度はかなり高いです。
また実銃同様のアクションやサウンドが楽しめるのもポイント高いです。
トリガー引けば何百発も撃ち続けられる電動ガンは少々食傷気味な方には古き良き時代の銃もたまには良いのではないでしょうか。ウェスタン派じゃない人も銃好きな人なら一度は、レバーアクションで戦ってみたくなりますよね。
ただし狙いを外さず、速射するには慣れが必要かもしれません。
スペック&弾速データ
全長 | 965mm |
重量 | 2,800g (空マガジン含む) |
銃身長 | -mm (インナーバレル長) |
装弾数 | 6mmBB弾 24発 |
定価 | 46,750円(税別) |
発売日 | 2022年2月 |
初速 | 最高:64.88m/s 平均:62.21m/s 最低:60.08m/s ジュール:0.421J ※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、屋内10発での測定、気温18度、湿度42%、XCORTECH X3200 Mk2にて測定。 |
撮影協力 マルシン工業
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