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G&G 電動ガン F2000 Tactical
レポート:戸井 源太郎
独特なブルパップ構造で、P-90のお兄さんといった印象を受けるFN F2000がG&G ARMAMENT(以下:G&G)からリニューアルして発売されました!
しかも今回はフランスのCYBERGUNにより、ベルギーのFN HERSTAL社の正式ライセンスを取得していますので、刻印や外観がリアルなだけでなく、メカもG&Gの最新モデルで採用されるMOSFET、電子トリガー(ETU)が標準装備されているのです!!
早速、レビューしていきたいと思います。
FN F2000は、アメリカが開発していたOICW(Objective Individual Combat Weapon/個人主体戦闘武器)の対抗として、ベルギーのFN社が2001年に開発したブルパップ式のアサルトライフルになります。5.56mm x 45NATO弾。本来OICWは25mmグレネードや火器統制装置(FCS)を搭載した近未来のシステムのことを指します。FN 2000も将来を見越し、モジュール化され、各部を交換できるように考えられています。が、アメリカでもOICWはグレネードの威力不足、高価で重すぎるということから現在は開発は中止されています。
FN 2000も現時点で制式採用しているのはスロベニア軍のみで、先行きは不透明となっています。
マガジンがトリガーの後ろに配されたブルパップのF2000。全長は710mmとM4の14.5インチより短いのですが、バレルが長くできるのがメリットです。今回のレビューはトップレール仕様のTacticalになります。
通常メカはストック部分に収納されるため、リアヘビーになりがちですが、構えた時のバランスは良好です。
11.1Vバッテリーにも対応した強化ギア、軸受けに8mmベアリング、MOSFET、電子トリガーのETUを標準装備しています。G&Gの最新の電動ガンと同様のメカが搭載されています。
バリエーションとして、1.5倍率のスコープが標準装備されたF2000 スタンダードも同時発売されています。こちらはより一層未来的な印象を受けます。
カラーはそれぞれブラックとデザートが選べます。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト1 | パーツリスト2 |
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パッケージはFN F2000が線画でデザインされ、FN HERSTALとG&Gのロゴがダブルで入っています。箱のサイズは84 x 27 x 10cmです。
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銃本体の他に取説、弾速証明書、フロントサイトアジャスター、クリニーングロッドが入っています。
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メカボックスはストック部分に搭載されています。FN HERSTAL社の正式ライセンス取得モデルなので、リアルなFN刻印が入っています。マガジン前にある黒いパーツがマガジンキャッチになりますが、マガジン装填時に指をぶつけやすいので注意しましょう。
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P-90に似た複雑な形状のグリップ&ハンドガード周りです。しかし人間工学に基づいてデザインされているため、非常に構えやすいです。
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トリガー周りもP-90とよく似ています。セレクターもP-90同様に、構えながら指で操作できます。トリガーストロークは少し長く、やや抵抗がありますが、マルイのP-90ほど重くはありません。
またETU搭載しているため、トリガー長引きで3バーストにも設定できます。
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独特の形状のフラッシュハイダーはスチール製で14mm逆ネジ仕様です。ガスレギュレーター周りも精巧に再現されています。
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コッキングハンドルは可動します。最後まで引いて上へ持ち上げればロックもできます。
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レシーバートップにはレールが配されています。1.5倍率スコープが標準装備のスタンダードモデルもカバーを外せば、トップレールになっています。
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リアサイトはフリップアップ式で簡易的なものです。マイナスネジで左右の調整ができます。
フロントサイトは着脱可能です。付属のアジャスターで上下の調節ができます。
またその下が実銃ではエジェクションポートとなります。実銃では薬莢が前からポロっと前から排出されるため、左構えした時でも薬莢が当たらないようになっています。ポートカバーは別パーツですが、固定されています。
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リアサイト後部にある黒いカバーを開けると、可変ホップアップ調整ダイヤルが現れます。 実銃ではここからチャンバーチェックできる仕組みです。
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ストック部分にはメカだけでなく、バッテリーも収納します。バットプレートはゴム製となっており、これを上へスライドさせて外します。

コードが出ているスペースにバッテリーを収納します。リポバッテリーのミニタイプだけでなく、奥行きが約12cmほどありますので、スティックタイプも使用できます。
また強化ギアが採用されているので、7.4vだけでなく、11.1vにも対応しています。
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バッテリー収納部の上方のネジでスプリングの強弱を調整できる機能を搭載していますが、今回は箱出し状態のみでテストを行いました。
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ボディ右側にあるテイクダウンボタンを押し出すと、アッパーの分解ができます。
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このように簡単に上下分解ができます。
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インナーバレルもそのまま引き出せるのでメンテや交換も容易です。
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マガジンはスタンダード電動ガンのM4と共通の多弾倉が標準装備で、装弾数は450発と少し多くなっています。サンドウォッシュされた渋いグレーで5.56mm X 45の刻印入りです。底面にはG&Gの刻印入りです。
実射テスト
野外の実射テストはいつもと同様、距離30、40mで行いました。30mは直径18cmの丸プレートとA3サイズ(29.7cmx42cm)のスチールプレート、40mは人物大のターゲットを設置し、BB弾はG&GのバイオBB弾0.2g、0.25gを使用しました。
どちらのBB弾でも弾道は素直で、30、40mならターゲットには9割がたヒットします。50mでも身長1個分ほどを上を狙えば届きます。必中とはいきませんが、十分な飛距離があります。
11.1Vバッテリーに対応しているので、電動ガン特有のモシャモシャ感がなく、トリガーのレスポンスも抜群です。ただブルパップ特有のトリガーストロークの長さと重さがあります。フルオートなら問題ないですが、個人的には、セミオートでの連射は指が辛く感じます。
電動ガンとしての飛距離や精度と総合性能は箱出しのままでも十分サバゲーで戦えます。
総評
ブルパップ式の人間工学に基づいたデザイン、ポリマー製のボディとSF映画に登場しそうな未来的なスタイル。この形状は目を引きます。それでいて構えてみるとスッと体にフィットし狙えます。またCQBなどの狭い場所でも取り回しが良く、左構えでも自然に構えられます。
G&Gの電動メカの性能、精度は年々向上しており、今や日本製と遜色ありません。というよりMOSFET、ETU搭載と、日本より一歩先んじている感があります。実射テストでもトラブルもなく、信頼性も高いと感じました。
ただ1点、要望を挙げるとすれば、せっかくETUを搭載しているのですからトリガーからギアボックスまでを長いトリガーバーで繋ぐのではなく、そもそもトリガー部分で電子スイッチ式にして、トリガーストロークを短く、軽くされていたらさらに良かったと思います。
しかしG&GのF2000は電動ガンとしての外観完成度、リアルさ、そして実射性能も素晴らしく、総合的な完成度は高いです。箱出しでもバリバリ実戦で戦える一挺です。これは買わない理由はないでしょう。
撮影協力:ビレッジ2、ホワイトハウス
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