BOLT AIRSOFT 電動ガン MP5J P.E.A.K.E.R.
レポート:戸井 源太郎
台湾のBOLT AIRSOFTからリアルショック電動ガンのMP5Jが発売されました。
BOLT独自のリコイルメカであるB.R.S.S.(ボルト・リコイル・ショック・システム)を日本代理店であるセキトーと新たに共同で開発したP.E.A.K.E.R.を搭載した新モデルです。
P.E.A.K.E.R.とはPrecise & Effective Acceleration with Keen & Explosive Recoilの頭文字をから採っており、リコイルショックの重さを増幅させつつレスポンス、サイクル向上、11.1Vでの駆動を前提にし、耐久性を高めた新メカユニットだそうです。
早速、BOLT P.E.A.K.E.R. MP5Jの実力を実際に撃ってみてレビューしていきたいと思います。
MP5はH&Kが1964年に完成した9mm口径のSMGです。多くのSMGがシンプルブローバックやオープンボルトの時代、G3にも採用されたローラーロッキング方式のクローズドボルトという構造から命中精度が高く、反動もマイルドということで世界中の軍・警察で採用されてきました。
日本ではフランス向けのMP5Fに大型ハイダーを装着したものが「機関けん銃」としてSAT、SITや銃器対策部隊用に採用されています。ちなみにMP5Jという呼称はエアソフトガンのみの俗称です。
「機関けん銃」も採用当時はエイムポイントを搭載したシンプルなスタイルでしたが、現在は各部隊によりRASやB&Tの湾曲ストック&ハイマウトにEO TECHやショートスコープを搭載したりとかなりカスタムがされているようです。
BOLTのP.E.A.K.E.R.メカ搭載のMP5は日本の警察で採用されている「機関けん銃」、いわゆる「J」タイプとなります。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
パッケージデザインは日本専用バージョンで、セキトー限定流通のP.E.A.K.E.R.の証となっています。
銃本体がプリントされたパッケージです。内部はベロクロテープでしっかし固定されています。左下の箱の中にマガジンが入っています。パッケージサイズは67x 28 x 8.5cmです。
取説と保証書が同梱されています。どちらも日本語対応しています。
スチール製のアッパーレシーバーに、シボ加工された樹脂製グリップフレームと実銃同様の組み合わせになっています。また実銃同様ピンを抜くだけで通常分解が可能となっています。
レシーバートップにはHKの刻印が入っています。この刻印は日本発売モデルのみに入っています。光学機器搭載にはBOLTのMP5用レール・マウントベース 3,300円(税別)が装着可能です。
トリガーは実物同様プレス製の「コの字」型で、トリガープルは約710gでした。
トリガーガード前のレバーはマガジンキャッチで、前モデルに比べ保持力と給弾性能が向上しています。
セレクターはアンビ仕様で表示はピクトグラムとなっています。適度な硬さと動きで確実に操作できます。
セレクターレバーの強度アップは前モデルからの改良点のひとつです。
グリップはフィンガーレストがないストレートタイプです。
チャージングハンドルを引くとエジェクションポートが開き、可変ホップアップレバーが現れます。ホップはしっかり掛かりますが、このレバーは調整幅がシビアで少々調整しづらいです。
チャージングハンドルはコック&ロックできます。このBOLT MP5Jの優れているところは、このハンドル操作でリコイルの有無を設定できることにあります。前進状態でリコイルあり、ハンドルを引いてロックすれば、リコイルなしに簡単に切り替えができます。
フレームとハンドルは金属製なので、ロック状態からスパンと手で払いたくなりますが、どうもエアソフトガンということからHKスラップは躊躇してしまいます(笑)。
銃口にはアルミ製の着脱可能な大型ハイダーが装着されています。
ハイダーを外せば、MP5スタンダードのシンプルなマズルが現れます。また先端部はキャップになっており、これも着脱可能となっています。
マズルキャップを外した状態です。14mm逆ネジのため、多くのトイガン用アクセサリーに対応します。
なお、インナーバレルは真鍮製でした。
フロント、リアサイトともスチール製で頑丈な作りになっています。ドラム式のリアサイトはネジ2本緩めれば、左右の調整が可能です。
ストックは反動吸収性の高い「F」タイプとなっています。このストックは日本の警察のMP5にも装着されていますが、元々はフランス向けで、「F」はFRANCE"の頭文字から名付けられています。ストック長は3段階に伸縮します。
ピン1本を外すだけでハンドガードが取り外せます。ここにバッテリーを収納します。11.1Vのリポに対応していますが、収納には少々コツが必要です。 レイルハンドガードのオプションパーツが9,800円で販売されています。
初回限定でプラ製のストレートマガジンが採用されています。装弾数は120発です。マガジンには50発、30発の2ヵ所に残弾のインジケーターがありますが、ちょっとわかりにくいですね。
MP5用スタンダード電動ガンのマガジンとは共用できます。写真は東京マルイ製を装着しています。
実射テスト
実射テストはいつもと同様、距離30、40mで行いました。BB弾は東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾を使用し、バッテリーは11.1Vのリポを使用しました。
リコイルを再現するためにカウンターウエイトを可動させるため非常に負荷となるが、それを補うために高電圧の11.1Vのリポに対応しています。おかげで子気味良いリコイルとキレのあるトリガーレスポンスを実現しています。
ホップレバーでの調整はかかり具合がシビアで少々苦労しますがホップはしっかりかかり弾道も安定しています。ファーストインプレッションは良好です。
飛距離・精度に関しては30、40mでもターゲットに0.2g弾と0.25g弾ともほぼ命中します。が、やはり精度は0.25g弾の方に軍配が上がります。飛距離も40m強と行ったところでサバゲー用として充分な性能を有しています。
リコイルありでフルオート射撃すると小気味よい反動が体、頰に伝わってきてリアルな射撃感が味わえます。リコイルも弾道が乱れるほどではなく、コントロールも容易です。
さらにこのBOLT MP5Jで特筆したいところは、ピンポイントで狙撃したい時は、簡単にリコイルをキャンセルできることです。同時にリコイルをキャンセルすることで、ストレスもなくなり若干連射サイクルも若干向上します。
テストで5、600発は撃ちましたが、トラブルもなく、特に問題となるようなことや気になる箇所は全くありませんでした。
総評
世界唯一のリコイル電動ガンのMP5ということがまず評価できます。
新メカユニットのP.E.A.K.E.Rもハードリコイルで11.1Vバッテリー対応の強化メカボックスで耐久性、信頼性も高そうです。
メカだけでなく、外観もリアルで剛性も高く、ワンタッチでリコイルあり、なしを選択できるなどBOLTならではの機能があるのも評価できます。そして射撃性能も十分合格点に達しています。
協力:セキトー、ビレッジ2
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