サンマーヤ大川　A&C COLT 7M ジュニア コルト 25オート

写真&解説　YAS

解説

サンマーヤ大川というメーカーをご存知だろうか?　正直筆者もこのメーカーは知らなかったので、過去の雑誌広告などを調べてみたところ、東京都にあった玩具メーカーだということがわかった。
台東区や墨田区を移転していたようだが、東京の蔵前周辺は昔から玩具メーカーや卸問屋が集中していて今なお多くのショップや問屋が所在する。

1980年代を過ごしたトイガンファンなら、雑誌の通販広告でボールペン型エアガンのBORGUN(ボーガン)やバズーカなどを見かけたことがあるだろう。これらもサンマーヤ大川の製品だ。
またハイウェイパトロールマン 357マグナムロボというリボルバーが変形してロボットになるトランスフォーマー的な製品も製造していた。

今回紹介するジュニア コルト 25オートは、キャップ火薬による発火と、つづみ弾による弾の発射が楽しめるトイガンだ。発火と弾の発射両方を楽しめるエアガンといえば、コクサイのスーパーウエポンシリーズや、マルイのファイアースポーツ銃シリーズ、最近だとクラウンのスパークリングエアガンなどがあり、エアガン黎明期から存在している。

残念ながらサンマーヤ大川というメーカーは80年代になくなってしまったが、ビンテージトイガンとして今でも当時の製品を遊べるのは嬉しいことだ。


コルト .25オートはその名の通りコルトから発売された護身用の.25口径オートマチックピストル。スペインのアストラ社が製造したものをコルトが1958年より輸入販売した。コルト ジュニアとも呼ばれる。


コルト M1908 ベストポケットやFN ポケットモデルM1906、ブローニングベビーなどの.25口径ピストルと並んで、日本でも一定の人気がある。また、小さいことから製造が容易なこともあり、モデルガンやエアガンでも度々モデルアップされてきた。


本体はモナカ式で、サイトはシンプル。リアサイトにはノッチすらない。
エジェクションポートは穴が開いていて、トリガーと連動してチャンバーが前後する。ハンマーをコックしてノーズ部分にキャップ火薬をセットする。


マガジンやマグキャッチ、ディスアセンブリーレバーなども全てモールドのダミー。トリガーガードにはエアガン独自の指掛けが設けられている。本モデルの特徴はそのトリガーの仕組みにある。
見かけ上のトリガーはダミーで、トリガーガードと一体になっており、トリガーガードごと引くことで弾が発射される仕組み。


マズルにつづみ弾のスカート部分を差し込み、ハンマーにキャップ火薬(カネキャップで代用)をセットした状態。つまり装弾数は1発だ。


トリガーガードを人差し指と中指で勢いよく引くと、マズルが後退、圧縮空気で弾が発射される。面白いのはピストンがスプリングの力で解放されるのではなく、トリガーを引く力でシリンダーを後退させているという点。なので、勢いよく引けばそれだけ弾速が上がる。
またトリガーに連動してハンマーが落ちて発火し、ハンマーが落ちている状態でも弾は発射できるので、弾だけでも、火薬だけでも遊ぶことができる。

作動動画を撮ってみたので以下に掲載。

サンマーヤ大川
A&C COLT 7M
ジュニア コルト 25オート
1984年製#ビンテージエアガン pic.twitter.com/EngfQ7vjAf

— ハイパー道楽 (@hyperdouraku) April 9, 2024

トリガープルは5kgほどと二本の指で引いてもかなり重い。
初速は8m/s程度で、まったく威力はないが、ペコッという破裂音と共につづみ弾が2メートルほど飛ぶ。
それよりもハンマーに取り付けたキャップ火薬の音が大きく迫力がある。
こういうビンテージもののエアガンは上手く動作しただけでもなぜか楽しくなる。


弾は7mmつづみ弾。一般的なつづみ弾より柔らかいが、経年劣化によって硬化してしまっているものもあった。弾の重さは約0.2g、弾頭部の直径は6.4mmほど。


パッケージ。A&CとはAIR & CAPの頭文字を取ったもの。W-ACTIONとはトリガーメカのことではなく、エアーと火薬で楽しめるダブル仕様ということだ。


当時の雑誌広告。本モデル以外にもコルト 25ハンマーレス、プレトリア ジュニアというバリエーションも発売された。


取説には発射の方法が図説入りで解説されている。シリコンオイルを使用してのメンテナンス方法も記載がある。
マニュアル.PDF (607KB)

DATA

撮影協力：ミリタリーグッズ.com

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