マツシロ スーパー ブラックホーク
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
今回紹介するのは、マツシロの「スーパー三部作」のひとつ、スーパーブラックホークカスタムだ。他の2機種、スーパーモーゼル オートカスタムとスーパーコルトガバメントはすでにレポート済みなので、ご興味のある方は過去の記事を参照されたい。
この3部作はどれもカートリッジ式のエアコッキングガンで、オートマチックの2機種は疑似ブローバックメカを備えていた。外観上のディフォルメが最低限に抑えられており、当時としては群を抜いてリアルなエアガンだった。
しかし、唯一のリボルバーだったブラックホークだけは少々ディフォルメが強く、見た目はちょっとヘンだといわざるを得ない。これは、エアシリンダーがグリップ内に収納されているからで、ハンマーによってピストンをコッキングするという発射方式のためだ。
当時、人気のあった大型リボルバーは他にもS&W M29があったが、もしそちらをモデルアップしていたとしたら、グリップのディフォルメはブラックホークの比ではなかったかもしれない。それに、シリンダーがスイングアウトしない方が精度を出しやすく、コストも抑えられるため、結果的にこの機種選定は間違っていなかったといえる。
特筆すべきはシリンダーで、ローディングゲートを開けることでシリンダーのロックが解除されフリーになるという、ニュースーパーブラックホークのメカニズムがちゃんと再現されている。これは数あるブラックホークのトイガンの中でも、マツシロの他にはWAのモデルガンとマルシンのガスガンでしか再現されていない特徴だ。
実射性能自体はやはりオートマチックにはおよばず、つづみ弾の飛距離も精度もあまり良くなかったが、それでも当時はリボルバータイプのエアガン自体が少なく、貴重な存在だったことは確かだ。
バレルとシリンダーはなかなかリアルだが、フレーム下部とグリップがかなりボッテリしている。エアシリンダーを収納するために仕方なかったのだろうが、それでもカスタムグリップを装って被害を最小限度に食い止めようとしているところが健気だ。
フレーム左にはマツシロの刻印。
太いバレルだが、口径が6mmなので若干迫力には欠ける。インナーバレルはアルミ製。
当時としてはかなり高級なフルアジャスタブルのリアサイト。いうまでもなく実射性能はついてこないが、サイトを調整することで気分が盛り上がるのは間違いない。
ローディングゲートをオープンにするとシリンダーがフリーになる。エアコッキングのハンマーをハーフコックにすることは難しいため、このメカを再現する必要があったのだろう。
グリップの見た目はかなりモッサリしているが握り心地は決して悪くない。実銃でもオーバーサイズのカスタムグリップに交換することが多いそうなので、当時としてもなんとか許容範囲内だったのかもしれない。
ハンマーを起こすと、下部からのびるストラットバーがグリップ内のピストンを押し下げてコッキングする仕組み。
シリンダー後部はラチェット一体の金属でフタがされており、前部の穴はつづみ弾の口径そのまま、6mmの穴があいている。
メタリックパウダー入りの茶色いプラスチック製という、若干、金属感にとぼしいカートリッジ。スーパー三部作のカートリッジはすべて同じこの素材だった。
DATA
発売年 | 1981年 |
発売時価格 | ¥7,800 |
全長 | 実測 418mm |
重量 | 実測 519g |
インナーバレル長 | -mm |
発射方式 | エアコッキング |
使用弾 | 6mmつづみ弾 |
装弾数 | 6発 |
平均初速 | 18.5m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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