リポバッテリーの管理について
解説 G-FORCE
昨今、電動ガン用のバッテリーとして使用されるようになったリポバッテリー。
放電出力性能によるトリガーレスポンスの向上、大容量かつ軽量など、従来のニッケル水素バッテリーに比べて高性能なことからサードパーティ製のバッテリーをはじめとしてラインアップが拡充し、価格もこなれてきたことから使用されているユーザーも多いでしょう。しかし、その一方である日急に電圧が下がって使えなくなってしまったとか、劣化して膨らんできたとか、発火事故などの話も聞きます。
今回はリポバッテリーの管理方法や使い方を解説し、少しでもバッテリーを安全に長持ちさるG-FORCE製の充電器や便利グッズを紹介しましょう。
リポバッテリーの充電方法
充電は1C充電が基本です。たとえば容量1300mAhのリポバッテリーであれば1.3Aで充電します。
また、常に最高のパワーを出すにも長持ちさせるにも、セル間電圧を揃えることが要です。
セル間電圧が崩れるとパワーが落ち、発揮する電力量も減少し、充電もフルに行えません。
セル間電圧は0.1V以内に揃えることを目標にしましょう。
セル間電圧を揃えるには、リポ専用、もしくはリポ対応充電器を使用し、常にバランス充電を行うようにします。
充電器でなくとも、たとえばG-FORCEのLiPo Analyzerにはバランス放電機能がありますし、G2SD Storage Dischargerは保管に最適な電圧にセルを揃えてくれます。
使用後の保管方法は?
サイクルやセミのキレが落ちてきたな、と感じた時点で使用を止めれば、3.5V/1Sほど電圧が残っている状態なので、10日~2週間くらいならばそのまま保管できます。
2週間以上の長期に渡って保管する場合は3.7~3.9V/1S程度の電圧に充電(または放電)しておくとバッテリーのコンディションを良好に保てます。
ゲームに熱中し、モーターが回らなくなる寸前まで使った場合は、その時点ですでに過放電となっている可能性が非常に高いため、ゲーム終了後スグに充電をしてください。そのまま置くと、バッテリーが破損します。
また、移動時、保管時にはセーフティ-バッグを利用すれば万一の発火時にも被害を最小に留められます。
満充電で保管してもいい?
満充電での保管は非常に危険です。リポは内部の化学反応で電気の出し入れを行いますが、気温が上がると内部の化学反応が促され、活性化します。暖かい時期にセミのキレが増すのもこのためです。
この特性のため、寒い場所で満充電にしたリポを暖かいところに持っていくと、電圧と内圧が上がり過充電状態となります。こうなると破損や発火の危険が高くなります。適切な電圧で保管するようにしてください。
Cレートが高いとメカボックスが壊れる?
基本的にそんなことはありません。Cレートとは「モーターから要求された電力にどこまで対応できるか」という指標です。モーターに無理やり電気を流し込む力ではありません。ノーマルガンであれば、モーターもさほどの出力ではないのでCレートが高くても影響は誤差のレベルです。体感的にも変わりません。
強化スプリングや高出力モーターを搭載していたり、あるいは今後発売されると思われるブラシレスモーターを使用する場合などは、Cレートの高いバッテリーでないと十分な性能を発揮できないばかりか、逆にリポにダメージを与えてしまう可能性もあります。Cレートが高いからと無条件に敬遠する必要はありません。
リポを使用することでメカボックスやピストンなど、動力部へのダメージはありません。ただし瞬間的に流れる電流がNIMHに比べてはるかに大きくなるため、コネクタやスイッチなどの接点部分のコンディションに気をつけてください。接点不良のまま使用するとスパークで電極が焼け、思わぬトラブルになることがあります。
リポバッテリーは爆発する!?
爆発する、という表現は正確ではありません。正しくは発火、もしくは炎上と表現されるものです。イメージとしては着火したマッチみたいな燃え方をします。瞬間的に火があがるので驚きますが、周囲に可燃物がなければそれほど怖いものではありません。
爆発するのはNiMHです。こちらは扱いを誤るとセルがパーンと音を立てて破裂し破片が散乱します。RCのほうではNiMH全盛期にそこかしこでNiMHが爆発しており、それによって重篤なケガをした人が出ています。そのため、むしろLiPoのほうが安心だとして一気にバッテリーの主流が変わりました。
ネット上に掲載されているリポ実験動画は、その扱いを見ると設定に無理があります。NiMHモードで充電していたり、リポバッテリーに釘を打ち込んでいたり。意図的に発火させようとしている動画がほとんどです。正しく使用していればそれほど大きな事故にはなりません。
LiPoにしろNiMHにしろ、どのようなバッテリーでも扱いを誤れば事故につながります。取り扱いに注意し正しく使用しましょう。
馴染みのないG-FORCE製品を使用するメリットは?
RC業界で十分な実績を持つ製品群が、機能に対して手ごろな価格が魅力です。
また、充電器類においては安全性の高さもポイントです。例えばG3チャージャーの場合、下記のような安全機能が搭載されています。
・逆接保護
・ショート保護
・セル電圧異常監視
・充電プロセス監視
・セルコンディション監視
また、G-FORCEのAC充電器類は、PSE認定を取得しています。G-FORCEは法人としてPL保険に加入しているので、万が一の事故にも万全の対応が可能です。
リポバッテリーを簡単に充電できるスタンダード機
G3 CHARGER 価格:3,800 円(税別)
ACからLiPo/LiFeをカンタンに充電できます。対応セル数は1~3セルなので、エアガン用リチウム系バッテリーはこれ1つでほぼ対応可能。バッテリーの扱いに不慣れな方のために、本体底面のラベルに推奨設定値を記載。設定に迷ったら充電器のラベルを確認するだけで、正しく確実に充電が行えます。
<製品仕様>
AC 入力電圧:100-240V,50-60Hz
対応バッテリー:LiPo/LiFe
対応セル数:1-3 セル
充電電流:0.5A/1.0A/1.5A ± 10%
最大出力:15W ± 10%
サイズ:88 × 57 × 35mm
重量:100g
リポ、ニッ水など4種バッテリーに対応したマルチ充電器
G4 MULTI CHARGER 価格:4,900 円(税別)
LiPo / LiFeはもちろん、NiMHやLiHVバッテリーに対応したAC充電器。LiPoとNiMHを混在で使用されている方に最適。また、初めて充電器を購入される方は、この充電器を購入しておけば、その後はバッテリー種類に悩むことがありません。ミニコネクタ、ラージコネクタ、ハンドガン用BECコネクタ、T字コネクタケーブル(ミニT字ではないので注意)が同梱。
<製品仕様>
AC 入力電圧:100 - 240V
対応バッテリー:LiPo / LiFe / LiHV / NiMH
対応セル数:LiPo / LiFe / LiHV:2-4S NiMH:6-8S
充電電流:1A / 2A / 3A / 4A ±10%
終了電圧:LiPo:4.2V ±0.02V / LiFe:3.6V ±0.02V LiHV:4.35V ±0.02V
最大出力:50W
サイズ:69.4 × 110.7 × 40.5 mm
重量:220g
USBから充電できるリポ 2セル専用充電器
G2 2S LiPo Charger 価格:1,800 円(税別)
USBからリポ2セルの充電が可能な充電器。PCやTVからはもちろん、スマホ用のACアダプターからの充電も可能。モバイルバッテリーを使えば電源のないフィールドでも充電できます。移動中のクルマでもUSBソケットがあれば充電可能。USB差込口があれば場所を問わずに使用可能な便利アイテム。
<製品仕様>
対応バッテリー:LiPo 2S(7.4V)専用
コネクタタイプ:JST-XH
充電電流:800mAh(0.8A) 固定
入力電源:USB(5V/2.1A)
サイズ:45×25×13(mm)
コンディションチェック、バランシング放電も可能
LiPo Analyzer 価格:2,000 円(税抜)
これ1つでバッテリーのコンディションチェックはもちろん、バランシング放電も可能なオールインワン・リポチェッカー。バッテリーを繋ぐだけで残量(%)表示、セル単位電圧を表示し、セル間電圧に差があれば、自動的に電圧を整えます。
<製品仕様>
対応バッテリタイプ・セル数:2-6S LiPo
表示電圧誤差:+/-1.5%
表示電圧分解能:0.01v
表示電圧幅:0-5v
バランス放電能力:50mA
動作保証温度:10~+45°C
保管適応温度:-20~+60°C
サイズ:70 × 38 × 11mm
重量:20g
ストレージ保管できる放電器
G2SD Storage Discharger 価格:1,800 円(税抜)
充電はしたものの、ゲームの中止などで使わなかったバッテリーを保管に最適な電圧まで放電してくれる保管(Storage)放電器。
<製品仕様>
対応バッテリー:LiPo/LiHV 1-2S のみ
コネクタタイプ:JST-XH
放電電流:最大 1A/8.7W( 状況により自動で可変)
カット電圧:3.85V/S(±50mV)
サイズ:60×40×25(mm)
重量:34g
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