ビクトリーショー ぶらり一人歩き 2016年7月【イベント レビュー】
2016年7月18(祝)に東京都台東区にある都立貿易産業センター 台東館で開催されたミリタリー販売イベントのビクトリーショーのぶらり一人歩きレビュー。まずは今回特筆すべき情報として、サムシングタクティカルのブースにて展示されていた、BO MANUFACTUREのマグネティックシステム『MTO』によるMTO PHANTOMというトイガン。すでに2016年3月にドイツで開催されたIWAショーにて発表されていたシステムがついに日本のVショーでも展示された。なお、MAGNETO RESEARCHはマグネティックシステムを開発した会社。
MTO PHANTOMは、バッテリー駆動による電磁式エアソフトとも言うべきシステムを搭載する。
モーター(回転式)も、ギアも、そしてスプリングさえも使用せず、電磁力によって直接ピストンとノズルを動かし、BB弾を発射するという画期的な仕組み。
メカユニット中にはノズルの付いた大きな銀色のシリンダーと、その下に白いレールのようなパーツが付いている。本来ギアが収まる部分には電子基板のみがあり、マイクロスイッチ仕様のトリガーがあるのみ。
これでバッテリーから電力を磁力に変換し、ピストンを前進後退させるという。リニアコンプレッサーに近い機構と思われる。
ピストンはスプリングで前進するのではなく、これも電磁力によって前進するが、シリンダーヘッドに当たることはなく、直前で停止するので、静かで耐久性も高いという。
今回お話を伺ったフランスの企業BO MANUFACTUREのCEO、ERIC BAUTIER氏。
バッテリーは電動ガンに使用される7.4Vリポや、8.4Vニッ水で駆動するが、消費電力は従来の電動ガンの1/10という省電力で、1週間使用し続けても充電の必要がないほどで、最終的には乾電池1本程度の電力でも利用できるようになるとの話だった。
外装はメタルレシーバーの電動ガンそのもの。グリップも電動ガン用のものが付くが、モーターは必要ないので中身は空。URX4のハンドガードやウルフグレーのカラーもこのまま発売されるそう。今回の展示品は残念ながら内部ユニットの入っていない外装のみだった。
電動ガンの外装にこだわった点としては、メカボックスの互換性を保つことで、従来の電動ガンユーザーにも受け入れやすいものにしたかった、ということをおっしゃっていた。せっかくなのだから、リアルなレシーバー厚やグリップサイズに集約してほしいということを伝えると、いずれそういったバージョンも登場させたいという回答もあった。
マガジンは電動ガンのものがそのまま使用できるが、200連のマガジンが付属するようだ。
ストックやハンドストップはUTG製のものが装着される。 インナーバレル長は380mm。
ストックチューブ内にバッテリーが装着されるが、省電力なのでごく小さいサイズのバッテリーでもOKとのことだった。消費電力が1/10ということであれば、単純にバッテリー容量も1/10程度のもので十分と言うことになる。
また、トリガーレスポンスが非常に良いということも強調されており、なんと3ミリ秒という高速レスポンスを実現していて、「人間の痛覚伝達速度よりも速い」というポップまで展示されていた。
また発射サイクルは最大で毎秒20発程度まで可能で、Bluetooth通信により専用アプリを通じてサイクルを可変させることもできるそう。初速についてはもちろん日本市場には法定初速以下の仕様で展開される。
あえて短所を挙げるとすれば、作動するのがノズルとピストンのみなので、リコイルはほとんどないということくらいか。
なお、価格については800ユーロ、日本円に単純換算すると9万4千円程度となるそうだが、輸入や販売代理による諸経費が乗るだろうから、事実上の販売価格としてはこれより高くなるだろうと予想される。
販売時期はまず2016年9月にヨーロッパ(フランス)でリリースを予定しており、その後日本市場にも投入される予定。販売代理はSOMETHING TACTICALとなる。
なんというか、話を聞いていると、初めて世にガスガンや電動ガンが登場したときのような、とてつもなくワクワクさせられる仕組みだと感じた。
このマグネティックシステム『MTO』がリリースされたら、従来の電動ガンはすべて過去のものになりそうな、そんな予感のする注目の革新的エアガンと言えるだろう。
会場で流れていた動画を提供いただいたので、合わせてご覧いただきたい。なお、動画中のテストファイアシーンは5か月前の最初期の試作とのこと。欧州仕様のプレオーダー品では350fps~390fpsとなると公式サイトにはある。
※この動画はBO MANUFACTUREよりご提供いただいています。
SOMETHING TACTICALブースではさらに、KEN'S PROPSという3Dプリンターによる樹脂製のガスブロハンドガン用カスタムスライドを展示していた。ポリアミド12と呼ばれる粉末のナイロン素材をレーザーで固めたプラスチック製で、ABS樹脂よりも軽く、弾力性に富むという。
SAI、SV INFINITY、KIMBER、ZEV、NIGHTHAWK、WILSONといった人気のカスタムスライドがラインアップされている。
3Dプリンター特有のザラザラした質感ではあるものの、サバゲーから、スピードシューティングまで多くのシチュエーションで使えるファン待望のカスタムパーツと言えよう。
今後、研磨や塗装仕上げなどの二次加工を施すことで質感を高めることも考えられるので、こちらも注目の商品と言える。価格は15,000~20,000円程度。
ライラクスでは年末発売予定のKRISS VECTOR電動ガンを展示。まだ試射のできないモックアップの展示だった。
また、トライデント電動ガンシリーズや4Dプリントによるペイントカスタムガンなども展示されていた。
CAWではカンプピストルのストックが制作進行中とのこと。
群馬のサバゲーフィールド、塹壕ランドではPak36と国民党軍(国府軍)コスのお姉さんたちが。
このPak36、モスカート仕様になっていて、実際に発射ができる。量産されていて販売もしているそう。
戦え!! ぴっちょりーな発見!! TOPブースの前でパチリ。手にするのはTOPブースで販売されていた鉄製の扇子。いいセンスだ。
「いいセンスだ!!」by トルネード吉田さん
「ハジキなんて必要ねぇ! 野郎ブッコロシュードゥラァァァ」by ベネット
MOVEではNBORDEで制作中のトレポン用HK416Dレシーバーを展示。
416グリップも制作中のものが展示されていた。その他組み立て済みのコンプリートガンや軽量なアルミバレルの販売も。
ノーベルアームズでは新商品のSURE HIT MRSを販売。クリアで見やすいマイクロドットサイトでコストパフォーマンスも高い。
OTSではこのMRSに対応するガスブロハンドガン用各種マウントが販売されていた。
CQBグアムのブースでは、マルイのグロックベースのカスタムガン上矢十七式が販売。MRSが搭載できる肉抜きされたスライドが特徴。
逸品屋ではEMG( Evike Manufacturing Group) Internationalの電動ガン、Salient Armsの新作ライフル、GRY with Jailbreakが早くも入荷。
独特の形状のブラストガードも実銃同様に取り外しができ、ハンドガードも根元のピンとレバーで簡単に分解できる。実銃のレポートはこちら。
エアボーンでは、マルシンのエンフォーサーMAXI 8mmのデッドストックが発売。
また、エアボーンカスタムのグロック19 2ndも。
アングスでは無無可動実銃のAR180が販売されていた。凄い!!
バーストヘッドではちょ・げりらとウピウピ隊のみさみさとMisanoが店番をしていた。
メンバーのペラモデルがいい感じ。
ペラモデルを見ていたらこちらのリアクションターゲット、ガンバルマンを思い出した。サンプロジェクトのブースにて。
エイトボール商会では相変わらず変なものが販売されていた。こちらは時計付きの水筒なのだそう。
オバタぬきブースに展示されていた、M1917A1電動ガン。ワンオフながら、水冷タンク内にBB弾を流し込むマガジンとなっている。
サージェンツハートにあった、リアルブレットマグネット。冷蔵庫に貼っておきたい。
七洋交産の一押しはSUUNTO TRAVERSE ALPHA。月齢カレンダー、発砲検知、日の出アラート、天候傾向インジケータ、夜間の使用時に読みやすい赤いバックライトなどの便利なツールを満載するミリタリーGPSウォッチ。
ふりーだむあらいあんす!のブースは賑やか!!
ワルモノ屋で販売していた九九式 手榴弾。
九龍ではBLS製の0.25gの蓄光バイオBB弾が販売されていた。これからの季節、野外でのトレーサーを使用してのナイトゲームに最適。
VOLK × NALU TOTE BAG。ハイエンドセレクトショップ 【 NALU 】(ナルー)と VOLK TACTICAL GEARの限定コラボ商品。
本部のお姉さん(ハンドルネーム、ハの字さん)、服装コンセプトは「ハマポリ」というジャンルだそう。
並木書房では床井雅美さんがいらっしゃって、「ピストル弾薬事典」など著書を販売。
「俺のケツをなめろ」Tシャツを手に小林源文先生もお元気です。
ガンモール東京ではCAAのRONIピストルカービン コンバージョンキットが販売されていた。
ウィリーピートの一押しはSafariland 579 GLS PRO-FIT Holster。グリップロッキングシステムと呼ばれる矢印部分のスイッチでロックを解除するのでグリップを握った瞬間に抜ける。また一つのタイプで複数の銃に対応するのも特徴。
次回のVショーは10月30日(日)に愛知県の名古屋茶源ホールにて開催が予定されている。
関連リンク
2016年3月のビクトリーショー
2015年12月のビクトリーショー
2015年9月のビクトリーショー
2015年7月のビクトリーショー
2015年3月のビクトリーショー
2014年11月のビクトリーショー
2014年9月のビクトリーショー
2014年6月のビクトリーショー
2014年3月のビクトリーショー
2013年12月のビクトリーショー
2013年9月のビクトリーショー
2013年7月のビクトリーショー
2013年3月のビクトリーショー
2012年12月のビクトリーショー
2012年9月のビクトリーショー
ミリタリーイベントの一覧ページ