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富士総合火力演習は、静岡県の東富士演習場で開催される国内最大の陸上自衛隊の実弾射撃訓練。
今年は2010年は8月29日(日)に実施され、人員 約2,400名、戦車・装甲車 約80両、各種火砲 約80門、航空機 約30機、その他車両 約600両が参加し、実弾約44トン(約3億5千万円相当)を使い、約2万8千人の見学者に迫力の演習を披露した。
早朝の演習場は快晴。富士山もくっきり。6時から点検射と呼ばれるテスト射撃を実施。本番演習開始の10時までは結構暇かなと思っていたが、そうでもなかった。
演習は大きく前段と後段の演習に分かれる。前段は主に陸自の主要装備品の紹介、後段は陣地防御する敵に対する攻撃を想定した演習だ。そしてこれら前後段の演習の後、演習広場に装備品がズラリと並ぶ装備品展示となる。
10:10状況開始!!
まずは演習開始とともに上空に航空自衛隊のF-2戦闘機が2機飛来する。
F-2は日米共同開発による国産戦闘機で、対地攻撃のほかドッグファイト能力も有する。
このF-2戦闘機は福岡県築城(ついき)基地の第8航空団所属機。
F-2戦闘機による対地攻撃がおこなわれるとオレンジ色の火柱が上がる!!
ただし実際に爆弾を投下しているわけではなく、あらかじめ設置してある地上の爆薬を爆発させている。
続いて特科車両が場内に進入してくる。
これは99式自走155mmりゅう弾砲。
重量40t、最大速度49.6km/h、空冷4サイクル直列6気筒のディーゼル機関で最大出力は600ps、乗員4名。
99式自走155mmりゅう弾砲の射撃シーン。発砲煙の先に弾頭(?)が見える。
最大射程は約30km。御殿場から小田原や熱海までを砲撃可能。
陸上自衛隊最大の火砲、203mm自走りゅう弾砲。最大射程は通常弾で約23km。
155mmりゅう弾砲 FH70。有効射程約24Km、西ドイツ、イタリア、イギリスの参加国によって開発されたものを日本製鋼所がライセンス生産している。
155mmりゅう弾砲 FH70、203mm自走りゅう弾砲、99式自走155mmりゅう弾砲など全火砲21門により、二段山、三段山上空に富士山を描く同時弾着を披露した。
約3Km先に着弾するりゅう弾砲はピカッと光ってから、9秒ほど遅れてドドンッと音が聞こえてくる。
続いては中距離火力として、迫撃砲と対戦車誘導弾の射撃が行われた。
81mm迫撃砲、120mm迫撃砲、そしてこの車両は96式自走120mm迫撃砲。
64式81mm迫撃砲(左)と、120mm迫撃砲 RT(右)の射撃。車両はともかく、やはり隊員を撮影するとなると500mmクラスの望遠レンズが欲しいところ。
87式対戦車誘導弾。目標をレーザーで照射することでミサイルを誘導する。
96式多目的誘導弾システムの地上誘導装置(左)と発射装置(右)。
光ファイバーTVM赤外線画像誘導装置を備え、発射されたミサイルは逐次映像を射手へ送信し、射手はその映像をモニターでみながらミサイルを確実にターゲットへ誘導する。
続いて対戦車部隊による対戦車誘導弾の射撃。
89式装甲戦闘車の79式対舟艇対戦車誘導弾発射装置、通称「重MAT」の射撃。これは赤外線による有線誘導方式。
UH-1ヘリコプターによる地雷散布。
上空からヘリで対戦車地雷を一挙に散布し、応急地雷原を構築、敵戦車の移動を妨害する。
対戦車地雷は敵戦車などの接触により、その圧力を感知して爆発する仕組み。
次に普通科分隊がCH-47J輸送ヘリコプターでファストロープを使って降着し、爆破ミッションを行い、再びヘリで速やかに離脱するというデモを見せた。
エクストラクションロープという特殊なロープを使って隊員を吊り下げ緊急脱出を図る。隊員はライフルを構え地上を警戒したまま。
軽装甲機動車のルーフから01式軽対戦車誘導弾(軽MAT)を射撃。まずは近距離目標に対して低伸弾道モードで射撃。この軽MATはバックブラストが少ないのが特徴。
この誘導弾は撃ち放し能力を有し、発射後ミサイルが自動で目標を追尾するため射撃後直ちにその場から移動することが可能。またミサイルが概ね水平に飛翔する低伸弾道モードと、目標を上空から追尾するダイブモードの2種類の飛翔モードがある。
パート2 後段演習に続く!!
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