エアガンの初速と規制について

エアガンの威力値規制を知っておく

日本国内のエアガンの威力は法律で

6mmBB弾で、0.989J以下と決められている。

8mmBB弾では1.649J以下となる。これは弾の断面積あたりのエネルギー値で規制しているため。※1

 

Jというのはジュールと呼び、重さと速度から計算される運動エネルギー値だ。

なので、同じ初速でも、弾の重さが異なればJ値も変わってくる。

例えば初速が80m/sの場合、

0.2g弾ならは0.64J
0.25g弾ならば0.8Jとなる。

初速は一般的に銃口付近の発射直後で測定する。

規制値を超える威力のエアガンは準空気銃となり所持禁止と法律で定められている。
罰則もあり、1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる可能性がある。※2

ハイパー道楽ではジュール計算フォームを公開しているので、弾の重さと初速がどれくらいのジュール値になるかを確認するのに活用して欲しい。

ローカルルールを事前確認する

法規制とは別に各サバゲーフィールドが独自に定めたローカルルール(レギュレーション)がある。
例えばインドアフィールドでは0.8J以下といった規定が多い。
屋外フィールドでも法規制値から少し余裕を見た0.9Jというフィールドもある。

法規制値はクリアしているが、ローカルルールをクリアできないない初速値というのがあるわけだ。
その場合は違法ではないが、そのフィールドでは使用できない。

また、フィールドで初速測定時に違反が発覚した場合、
法規制違反で有れば、警察に通報される場合もあるし、ローカルルール違反でもエアガンの預かり、ゲームへの参加不可、出禁といった対応をとるフィールドもある。

 

初速は環境と条件で変わる

エアガンの初速はその時の条件や環境で変わる。

1.可変ホップアップの調節量
ホップアップ0状態と、ホップを掛けていった時とでは初速が数m/s変わる場合がある。
0ホップで80m/sだったとしても、屋外40mレンジで適正のホップを掛けたら83m/sになると言うことはよくある。
したがってどのホップ量でも初速オーバーしないように確認しておく。

2.気温や湿度
気温や湿度、気圧の変化でも初速が変わる。
ガスガンであれば室内24℃と、屋外30℃とでは初速は大きく変わる。
また、電動ガンやエアコッキングガンでも気温や湿度でパッキンゴムの固さがわずかに変化することで初速が1~2m/s変わることがある。
さらにBB弾のワックス、ホコリがパッキンやバレル内に付くことでも初速は変わる。

3.弾速計の差
初速測定する弾速計のメーカー、モデルによっても差が出る場合がある。
自分の弾速計では80m/sでもフィールドの弾速計では81m/sだったと言うことはよくある。

4.弾の種類
弾の重さで初速が変わるのは前述の通りだが、同じ0.2g弾を謳っていても弾のブランドによって初速が変わることがある。
理由としては外形寸法や重量公差、表面仕上げなどわずかな違いが初速にも表れるからだ。
弾のブランドを換えた時も初速をチェックしておくと良いだろう。

 

ガスガンはマガジンにも注意

ガスガンの場合、メーカー純正以外のマガジンを使用すると初速が変わることがある。
いくらパーツメーカーやショップが互換性を謳っていても、形状や作動の互換性のみならず、初速も規制値に収まっているかを事前に確認しておきたい。
また、あまり言いたくない事実だが、メーカー箱出しのエアガンですら、過去に初速がオーバーしていた事案もあった。大量生産品であるから完全に品質を一定に保てないというのはわかる。
だからこそ電動ガン、ガスガン、国内・海外メーカー問わず、自分が所有するエアガンの初速は使う前に確認することをお勧めする。

 

内部カスタムをするなら初速を計る

スプリングやピストン、シリンダー、ノズル、パッキンなどなど、エアガンの内部チューンをするなら組み込み後に弾速をチェックしておこう。ショップや友達にカスタムしてもらった場合でも、自分が使うエアガンであれば、自分で弾速チェックしておくべきだ。

 

サバゲーしなくても規制値を守る

中には「自分はサバゲーしないんで、初速オーバーとか関係ない」といった人がいる。
カスタムショップにも稀に「サバゲーしないから規制値を超えるパワーアップカスタムして欲しい」という不埒なオーダーがあるそうだ。

法律で定められている規制値なので、所有しているだけで規制対象となる。
バレなきゃ良い、といった考え方はやめよう。

 

フィールドでの測定方法

私がよく遊びに行くフィールドでは以下のような初速測定方法だ。

1.シューティングレンジで普通に射撃してホップ弾道が適正かをスタッフが確認。
2.弾速計を通して射撃。このとき撃った弾を引っ付く的でスタッフが回収し、弾の重さを確認。
3.もう2発程度普通に初速測定。
4.フィールドルールに適合しているならばレギュレーションクリアのシールをスタッフがエアガンに貼ってくれる。

もっと簡易に測定するフィールドもあるが、上記のように綿密に測定するフィールドもあり、またフィールドが用意した0.2g弾を使って測定するというフィールドもある。

 

ギリギリの初速設定にしない

上記の理由から、法規制値ギリギリを狙ってカスタムするのはとても危険だ。
ある程度のマージンをみて、初速調整することをお勧めする。

参考までに0.9Jでセッティングする場合、
0.2g弾なら、初速94.8m/s、
0.25g弾なら、初速84.8m/sといったところだ。
これだけあれば必要十分すぎる弾速といえる。

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※1 銃刀法 内閣府令 第九十九条
弾丸を発射する方向に垂直な当該弾丸の断面であつて当該弾丸の前端からの距離が〇・三センチメートル以内のものに係る面積のうち最大のものに三・五を乗じた値と記載される。

したがって、
6mmBB弾の前端3mmの断面積は0.2826cm2
0.2826cm2 x 3.5J = 0.989J

8mmBB弾の前端3mm地点の断面積は0.4711cm²
0.4711 cm² x 3.5J = 1.649J
という計算になる。

https://laws.e-gov.go.jp/law/333M50000002016/#Mp-At_98_2

 

※2 罰則規定
銃刀法第32条第4項に規定

https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000006#Mp-Ch_5-At_32