『現代戦略論─大国間競争時代の安全保障─』

いま注目の軍事専門家、初の単著!
世界で最も厳しい安全保障環境にある日本の新戦略を提言!
『現代戦略論─大国間競争時代の安全保障─』12月28日発売!
高橋杉雄(防衛研究所防衛政策研究室長)著
並木書房
四六判236ページ 定価1600円+税

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻によって、冷戦後の協調的な国際環境は消滅し、大国間の競争が復活した。「現状変更」を図る中国に対して、日本の大戦略は「現状維持」であり、この戦略目的の非対称性に日本の勝機がある。仮に抑止に失敗して戦争になっても、海上において状況を膠着化できれば、世界中に展開する米軍の来援が期待でき、有利なかたちで戦争を終結できる。ネットアセスメント分析とシナリオプランニングの手法を用いて導き出された「統合海洋縦深防衛戦略」を初めて明かす!

著者の言葉

本戦略は、「優先順位の芸術」であり、日本が持つ比較優位を活かすかたちで傾斜的にリソースを配分していく指針でなければならない。日本の大戦略上の目的はあくまで現状維持であり、防衛力はそのための手段として用いられる。本書では、「大国間競争の時代」においてなお現状維持を実現するための防衛戦略として、ネットアセスメントや将来戦に関するシナリオプランニングを踏まえ、「統合海洋縦深防衛戦略」を提唱した。宇宙・サイバー・電磁波能力と陸・海・空の対艦攻撃能力を統合的に整備し、中国の海上制圧を阻止することで、現状維持を達成しようとするものである。