「俺の後に立つな!」いや立てるかも!? 連載50周年の劇画「ゴルゴ13」の大規模な特別展を開催

1968年11月発売の「ビッグコミック」から連載50周年(2018年)を迎えるのを記念した劇画「ゴルゴ13」の大規模な特別展が大阪と川崎で開催される。
開催に先立ち都内で記者発表会が行われた。

 

【大阪展】
2017年10月6日(金) ~ 11月27日(月)
大阪文化館・天保山(大阪市港区、海遊館となり)

 

【川崎展】
2018年9月22日(土) ~ 11月30日(金)
川崎市市民ミュージアム

 

孤高の超A級スナイパーを描く劇画「ゴルゴ13」は、国籍や年齢が不明の主人公デューク東郷が、様々な任務を遂行するストーリーでありながら、その名ゼリフや信条などが長年にわたり支持され、「ゴルゴ学」などの本も出版されるほど、半世紀にわたり幅広い年齢層のファンを魅了しています。

本展では、初公開の原画をはじめ、さいとう・プロダクションにある「武器庫」から門外不出だったモデルガンも披露、また、ゴルゴの愛用銃アーマライトのレプリカを構えスコープをのぞく体感コーナーも開設します。

また、記念撮影コーナーでは本展で新たに制作したゴルゴの等身大パネルと記念撮影ができる。「俺の後ろに立つな」の吹き出しを置き、「ゴルゴの後ろに立ってみた」的な貴重なショットも。

さらに、さいとう・プロの分業制を詳しく解説し、ゴルゴが完成するプロセスや制作秘話にも迫ります。展覧会公式テーマ曲はギタリスト山本恭司氏が担当、ゴルゴ好きな女性で構成するファンクラブ”GOLJO”の会長にはタレント眞鍋かをりさんが就任し、本展を盛り上げます。

 


記者会見では、ゴルゴ13の生みの親、さいとう・たかを氏から挨拶。

「ゴルゴを50年やってきたことは本当にありがたいこと。ただ自分としてはやってみたら50年経っていたということであまりピンと来ていない。ゴルゴ13は自分の考え方、価値観、常識を描き込んだ。読者がそういうものを読んでどう思うか、むしろ私のほうが聞きたい気持ち。担当編集者に50年は折り返し地点だと言われびっくりした。そこまで生きられるかなと(笑)。今後もがんばれるだけ、がんばりたい。」

また、「今後ゴルゴ13の標的にしたい実在する政治家や著名人は?」と言う質問に対しては、「よく聞かれるんですけど、どうしても描けない人もいますね。下手に描いたら海の中にもってかれるだろうなと(笑)。」

また「これはお蔵になったんですけど、イランのホメイニさんがニセモノだっていう話を描いたんです。そしたらイラン大使館からものすごくお小言頂いて…。イランの人もゴルゴを読んでいるんだと、ものすごく驚きましたけどね(笑)。」といった秘話も。

「今ご存知のように、この人を描いたら面白いだろうなという人はいっぱいいるんですけど、なかなか思うようには描かせてもらえない。出来る限り架空の人物として面白い人物を出していきたい。」

「日本の政治のことを描くと生々しくなって面白くなくなる。それにこう言っちゃなんですが、日本の政治はあまりおもしろくないでしょ?(笑) 自分自身が日本人だからあまり下手なことは描きたくないという気持ちもありますしね。」と話した。


展覧会監修・杉森昌武氏より見どころが紹介される。


展覧会公式テーマ曲制作・山本恭司氏によるギターの生演奏「13th Shot」も披露された。
「ゴルゴ13は私が10代の時、自分を大人にしてもらった作品。この曲にはカッコよさも当然だが、切なさも込めた。」という。

 

ゴルゴ13特別展覧会 公式サイト: https://www.golgo-13.com/