時代を先取りしたナチスの新兵器たち

今回から全10回にわたり、ナチスドイツとオカルトがテーマの新シリーズがスタート!! 毎週水曜日21時公開!!

VII号ロケット

VII号ロケット (引用:wikipedia)

第二次大戦を通じて、兵器の性能は大幅に向上したと言われているが、その中でもドイツ軍の発明した兵器群は当時の科学水準を大きく超えていた。

その中でも代表的な兵器は報復兵器VII号ロケットだと言われている。この兵器の特徴は酸素を自蔵しており、大気の吸入を必要せずに一度大気圏外に出て、そこから再度大気圏に再突入して目撃に向かって降下していくものである。

このロケット弾はエチルアルコールと液体酸素を動力源に、重量約13トン、頭部炸薬750キロ、発射後55秒の高度28キロでロケットエンジン停止後も、慣性で82キロまで上昇して、以後落下弾道に入る。弾着時速度はマッハ3であった。

当時、この兵器を迎撃できる手段は存在しなかったが信頼性が低く、1944年9月から1945年3月末までに発射された3千発から4千発の内、実際に英本土に到着したものは千余発だった。

VII号ロケットの出現は、後のICBM(大陸弾道弾)に大きな影響を与えたと言われている。

また、世界最初の誘導弾(ガイデッドミサイル)を開発実用化したのもドイツであった。当時の魚雷や砲弾などは、発射後は当然弾道を自在に変えることなど出来なかったが、このヘンシェルHs293Aはワグナー博士の設計した有翼液体燃料ロケット弾道弾で、重量785キロ、頭部炸薬量は330キロであり、誘導は母機からの無線操縦で行われた。最高時速600キロ、射程は15キロと短かったが、この兵器は1943年9月に登場後、40万トンに及ぶ連合国艦船撃沈の戦果を挙げている。

グスタフ/ドーラ列車砲 (img:wikipedia)

世界最大の大口径砲であるグスタフ/ドーラ列車砲は、口径80センチのカノン砲で、7.1トンの鉄鋼弾と4.9トンの榴弾を発射した。その最大射程は47キロにも及び、全長43メートル、全備重量は1,350トンにも及んだ。しかも運用する為には1,420名の要員が必要であった.

この砲は1942年6月に東部戦線においてクリミア半島セヴァストポリ要塞攻撃に使用され活躍したと言う。

また、世界最初の実用ジェット戦闘機、メッサーシュミットMe262戦闘機は当時のレシプロ戦闘機の性能を凌駕していた。戦闘機型は最高時速869キロにも 達し、初飛行は1942年7月であったが、ヒトラーは戦闘機としての戦線投入を拒み、結局1944年9月に入ってから、戦闘機型と爆撃機型の実践投入を 行っている。

これらドイツの発明した兵器類は、第二次大戦後の世界に大きな影響を与えたのである。

文章: 藤原真