東京マルイ 電動ガン CQB-R 【エアガン レビュー】
CQB-RとはClose Quarter Battle Receiverの略で、本来は接近戦闘用にバレルが10インチ程度に短縮されたアッパーレシーバーを意味するが、このアッパーを装着した軍用M4カービン/M16自体を意味する場合もある。また、さらにこれ以上短いものはディプロマットとかスタビーなどと呼ばれるモデルが民間モデルとして存在する。
CQB-Rは米海軍海上戦闘センターNSWCのクレイン師団によって開発され、M4A1カービンの14.5インチバレルを10.3インチにカットダウン、短いバレルでも作動するようにガスポート形状や各部パーツが調整された。
東京マルイの次世代電動ガン、M4カービンシリーズはSOPMOD M4が第1弾として2008年12月に発売された。
その後、M4A1 SOCOM カービンが2009年4月に発売され、今回のCQB-Rが第3弾のバリエーションモデルとして2009年12月24日に発売された。
カラーバリエーションは今回レビューするブラックと、フラット・ダークアース(FDE)と呼ばれるタンカラーの2種類が同時発売となった。
東京マルイ 電動ガン CQB-R スペック & 初速データ | |||||||||||||||||||||||||
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※エクセル バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、気温22.7度、湿度39.0% |
レシーバー左側面。レシーバーはSOPMODやSOCOMカービン同様のアルミダイキャスト製。手にするとヒンヤリしていて剛性感も抜群。コルトのM4A1ミリタリー刻印がそそる。
もちろん次世代電動ガンM4シリーズ独自の機能である、弾を撃ち尽くしたらメカボックスの作動を停止させるオートストップ機構は継承。マガジンチェンジ後にレシーバー中央にある楕円形の小さいボルトキャッチボタンを押して再び射撃するという実銃ライクなアクションも同様だ。
レシーバー右側面。エジェクションポートカバーの閉まりは手持ちのSOPMOD M4の初期ロットよりずいぶんと良くなった。
カッチリ閉まり、衝撃で開いてしまうようなこともなかった。またポートカバーの爪部分も耐久性とスムーズさが向上している感じだ。
右側面のセレクターポジションインジケーターはダミーで常にセミオートポジションを示している。ボルトフォアードアシストノブも金属製で押すことはできる。
CQB-Rはレイルアダプターシステム「R.A.S.」を標準装備する。従来のハンドガードに替わって、上下左右の4面にレールを配したことで、ドットサイトやレーザーサイト、バーティカルグリップやフラッシュライトなどのさまざまなアクセサリーを兵士の任務に合わせて装着できるようになった。
素材はアルミ製で取り付けもガッチリしている。RASは上下分割式の2ピース構造で、デルタリングを引きながらボトムレールを取外し、次にトップレール後部のネジを取外しRASのアッパーを取り外す。アッパーは実物同様に後部のツメで固定されていてガタツキは一切ない。
亜鉛ダイキャスト製のフラッシュハイダーはナイツ社のQDタイプを再現。
底面のイモネジを緩めれば取り外すことができ、M14逆ネジ仕様となっているので、対応する各種サイレンサーを装着可能だ。
またアウターバレルはアルミ削り出しとなっている。
リアサイトは取り外し可能なLMTタイプ。
ノーマルのキャリングハンドル後部を切ったような形状で、ピープサイトは上下左右にダイヤルで簡単にアジャスト可能だ。
素材は アルミダイキャスト製で単体重量は118g。
LMTタイプのリアサイトを取り外してしまえばフルフラットなトップレールが利用できる。レールガイドナンバーもシルクプリントで入っている。
ドットサイトやスコープなどの光学照準器を自由に装着でき自分好みのスタイルアップが容易だ。
>最強のドットサイトを探すなら
チャージングハンドルを引くと、エジェクションポートカバーがしまっていれば自動的にバカッと開き、連動してダミーのボルトが後退し、可変ホップアップの調節ダイヤルが現れる。ダイヤルはバレル同軸式でクリック感があり、細かく確実に調節できる。上に回せばホップが強くかかる仕組み。
ゴツくてカッチョイイ、ヴォルタータイプストックを標準装備するのもCQB-Rの特徴。バット部はゴムコーティングされ、滑り止め効果がそこそこある。このストック内にSOPMODバッテリーを収納する。バッテリー交換はまずバット部の矢印のダミーボルトヘッドを押す。
バット下部のフックを軸にして取り外し、SOPMODバッテリーをしゅるりと装着。
このワンタッチバッテリー装着は非常に楽だ。
クイックアクセス・コンパートメントボックス内には単三電池ならば2本、単四電池なら3本が収納できる。
ちなみにフラッシュライトなどでよく使用される123A電池は1本しか入らなかった。
ストックリリースレバーを引いて前後にストック長を調節できる。
固定位置は6ポジションで伸縮できる。
バーティカルフォアグリップはタンゴダウンのショートタイプをモデルアップしている。
フォアグリップのボトムのジョイントダイヤルを緩めるとレールとのロックがリリースされグリップを移動することができる。
フォアグリップ内にはロックを押し上げるためのバーがあるので電池などは収納できないが、タンゴダウンのこのタイプのフォアグリップって、ものすごいスプリングが硬くて取り外しが困難なので、マルイのこの機構のほうが扱いやすくてよい。
インドア・サバイバルゲームフィールドの「まるさば」でCQB-Rを実際に使用してみた。Aimpoint ML2をオフセットマウントで搭載し、ハンドガードのトップレールにはPEQ-15 IRレーザーサイトのレプリカ(中は空)を雰囲気で載せてみた。
インドアフィールドではフラッシュライトを装着してローライトコンディションでの戦闘能力を向上させる。
今回はシュアファイアのM951を装着。R.A.S.装備なので簡単にこれらのアクセサリーが着脱可能。ゲームシチュエーションに応じて素早くメインアームのセッティングができるのは大きなアドバンテージだ。
さすが接近戦闘用ウエポンと名乗るだけあって、狭いインドアフィールドでもハンドリングはしやすい。ドアや壁にバレルを当てることなく、気を使わずに素早くルームクリアリングできる。
マガジンは次世代電動ガンのM4シリーズ共通で、6mmBB弾を82発装填できる。
全弾撃ち終わってマガジンを抜いても弾がポロリとならない撃ち切り可能なマガジンだ。
オプションとしてゼンマイ給弾式の430連多弾数マガジンが発売されている。
82連マガジンには矢印の部分にマガジンフォロアーに連動したリンクパーツがあり、残弾がゼロになるとリンクパーツがメカボックス底部に配置されたオートストップスイッチを押し上げる仕組み。
マガジン底部の6角ネジを外すとマガジンシェルと中身を分離できる。
中身の側面にあるこのスイッチを操作すれば、マガジン装弾数を変更できる。
通常はスイッチは82連発の位置にあるが、前方にスライドさせると30連発のリアルカウントマガジンにできる。 実際に装填して撃ってみても確かに30発ぴったりで作動が止まるのはなにげに楽しい。
本体にSOPMODバッテリーと82連マガジンを装着した実測重量は3,385g。メタルパーツが多用されているのでそこそこ重く感じる。LMTタイプのリアサイト単体では118g。
さて実射性能だが、これはもう東京マルイの電動ガンについては説明する必要もないほどに安定している。
シュート&リコイルエンジンによる反動は次世代電動ガンのなかでももっとも大きな部類。ズタタタタタンッ! と激しいサウンドを響かせて、そのリコイルを味わいながらも狙ったところに安定したホップアップの水平弾道で飛んでいくBB弾は見ていて気持ちが良い。
SOPMODバッテリーの電圧か、リアストック収納バッテリーで接点が多いせいか、同時期に発売されたG36Kと比べると少々回転数が低いが、まあほとんど実用で影響することもなく、むしろ撃ち味の範囲といったところか。
あえて言うならばオートストップの確実性をあげ、ボルトキャッチのカチリとしたクリック感をもう少し出して欲しいのと、オートストップ時のトリガーのふにゃっとした感触のなさを、M14や89式で実装したクリッカブルトリガーなどにしてカバーして欲しいところ。
いずれにしても、メカメカしく引き締まったデザイン、コンパクトな10.3インチバレルの取り回しのよさと、オプションアクセサリーを自由に装着可能な拡張性の高さ、撃ち終えたら作動を停止するオートストップ機構の先進的なメカニズムの便利さなど、次世代電動ガンとしてふさわしいモデルであり、サバイバルゲームやシューティング、コレクションにとオールマイティに使える一丁だ。
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