BOLT 電動ガン SR-47

BOLT 電動ガン SR-47

レポート:戸井源太郎

M4のスタイルでAK-47の7.62mm×39弾とそのマガジンをそのまま使える特殊部隊用のアサルトライフルがSR-47です。
DVD『CAT SHIT ONE (キャット・シット・ワン)』 で主役のパッキーが愛用していたことでも有名な1丁ですよね。
そのSR-47がKnight's Armament Company(以後:ナイツ)の正式ライセンスを取得し、台湾のBOLT社から電動ガンで好評発売中です。
しかもBOLT独自のリコイルシステムであるB.R.S.S.を搭載したリアルショックの電動ガンなのです。
BOLTというと、以前にレポートしたSR-16のトラブルが思い出されます...。
実は知り合いにBOLTのSR-47を持っている人がいるので、その直後から性能や精度、トラブルに関していろいろ聞いてみました。
彼はいわく、箱出しで愛用しているが特にトラブルに見舞われたことがなく、精度にも満足しているとことでした。
ということで、SR-47でBOLTの電動ガンを改めてレポートしたいと思います。
BOLTの電動ガンメカの特徴、B.R.S.S.については、過去のSR-16のレポートをご参照ください。


SR-47は2001年に発生した9.11テロ事件に起因する中東における対テロ戦争がはじまって、すぐに開発がスタートしました。
その理由は、SEALsやDEVGRUなど特殊部隊員が敵地深く潜入し、要人暗殺、爆撃誘導などの隠密任務を遂行していく上で十分な補給が受けられないことが問題となったようです。
そこで、現地で入手が比較的容易なAK-47の7.62mm×39弾を使用する新小銃がSOCOMの要請を受けて試作されたのがナイツのSR-47なのです。
特殊部隊員が慣れ親しんだM4のスタイル、操作をそのまま踏襲しており、5.56mm×45弾より強力なAK弾を使用するバトルライフルが完成しました。

現場に残される空薬莢もAK-47なので、もしテロリストに発見されたとしても敵が潜入しているとは思われず、痕跡から敵に追跡される可能性も低いなど利点もあったようです。
しかし、スタイル、操作はM4と同じとはいえ、中身はほぼ新規といってよく、M4との共通パーツもあまりありません。そんな特殊ライフルのスペアパーツの入手が現地では、ほぼ不可能で、おまけに新設計であるために高価なライフルとなりました。
であればAK-47をそのまま、もしくはカスタムして使ったほうがよいではないかということになりますよね。
製造数もたったの7丁で、6丁はトライアルに使われ、1丁はナイツ社で保管されているそうです。
試作のみで終わった不遇のライフルですが、根強い人気がある稀有な1丁と言えます。

BOLT 電動ガン SR-47 スペック & 弾速データ
全長 835~920mm(ストック伸長時)
重量 約3,100g
銃身長 - mm
装弾数 6mmBB弾 600発
定価 59,800円(税別)
発売日 2013年12月
最高 93.90m/s
平均 93.59m/s
最低 93.25m/s
ジュール 0.876J
回転数 約991rpm(秒間16.7発)
※11.1Vリポ使用
※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温約13度(屋外)、湿度46%、X3200にて測定。
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豪華なボックス
SR-47とナイツのロゴがデカデカとプリントされた豪華なボックスです。これは実はカバーになります。サイズは縦28×横91×高9cmです。

内箱 パッケージ内容
カバーを外した内箱がこちらになります。箱には「BR-47」とあります。
このSR-47は2013年に発売されていましたが、その当時はナイツ社のライセンスを取得していなかったため、名称はBOLTの頭文字をとって「BR-47」なっていました。
2015年にナイツのライセンスを取得したことから晴れて「SR-47」と名乗れるようになったようです。
そのためナイツのロゴ入りのカバーが追加されたのだと思います。

Japan version ナイツの正式ライセンスシール
カバーには日本の法規制に対応した「Japan version」のステッカーが貼られています。BOLTでは、単に初速を抑えるための安易なスプリングをカットではなく、スプリングからリコイルウエイトなど、メカすべてに対して専用パーツの製作、および再調整しているそうです。また、ナイツの正式ライセンスを取得したことを証明するホログラムシールが貼られています。

保証書 取説
取説、日本代理店の保証書、ステッカー2種、パッチが同封されています。
日本では、セキトーがBOLTの代理店となっており、保証書も同封されているので、万一のトラブルでもアフターサービスが受けられます。

SR-47 左
SR-47 右
過去にショップが製作したワンオフのフルスクラッチや、ハリケーン製のコンバージョンキットがありましたが、SR-47のコンプリート電動ガンは初めてではないでしょうか?

レシーバー、ハンドガードレールはアルミ製
もちろん、レシーバー、ハンドガードレールはアルミ製です。マガジンは東京マルイのスタンダードAKと互換性があります。ギアなども東京マルイのVer.2と互換性があるというのがBOLTの特徴ですが、フレームサイズが違うため、SR-47に限ってはセクター、スパーはVer.2で共用でき、ベベルギアは次世代と互換できるようですが、相性はわかりません。

レシーバー形状
レシーバー形状、グリップやトリガー、セレクターの位置、全体のイメージはM4そのものです。
ただし、使用弾の口径の違いからレシーバーは前後に延長されています。
またAK-47のマガジンに対応するようマガジンハウジングは斜めに大胆にカットされています。

ナイツのロゴ
マガジンハウジングにはナイツのロゴが目立たないロービジ仕様で刻印されています。
ボルトストップは電動ガンではダミーです。
ちなみに実銃のAKはボルトがホールドオープンしない仕組みですが、実銃のSR-47ではAKマガジンのフォロワーを改修すれば、ボルトストップもライブとなるそうです。戦地で入手するマガジン全てにそんな改修は望めませんから、いずれにしても手がかかる仕様となっていますね。

グリップ
グリップはオーソドックスなA2グリップを採用しています。セレクターもM4と同様のものです。
ただしセレクターはアンビ仕様になっているのかと一瞬喜びましたが、右側はダミーでした。
右側面のセレクターは可動はするものの、独立して動くだけで、左側のセレクターとは連動していません。

フリーフロートハンドガード
ハンドガードはアルミ製のRAS(Rail Adapter System)を採用しています。RASはM4A1などの上下分割式ではなく、筒状の一体化されたレールハンドガードにより、バレルはフレーム基部以外、どことも接触しないフリーフロートバレルとなっています。
遠距離、精密射撃時においては、射手の構えた際の力みや、わずかな負荷でさえ、命中精度に影響が出ます。そのためバレルを浮かせ、外的影響を受けないようにしています。今ではポピュラーとなっている仕様ですが、これをM4系に採用したのもナイツが初だったと思います。

フラッシュハイダー
14.5インチバレルはM203用のクビれがないブルバレルです。材質もメタル製(おそらくアルミ)です。フラッシュハイダーはM4と同様のバードケージで、M14逆ネジ仕様となっています。

エジェクションポート ホップ調整
AK-47の7.62mm×39弾を排莢するための幅広エジェクションポート。ホップ調整は多くの電動M4と同様にコッキングハンドルを引いて、ボルトカバーを開いて調整します。ホップダイヤルはドラム式になっています。またマガジンキャッチもM4と同様のボタン式となっています。

フロントサイト リアサイト
フロントサイトは脱着式のLMTタイプが付属しています。SR-47開発当時には、このタイプのサイトは、まだなかったのではないでしょうか。
リアサイトもLMTタイプが標準装備されています。どちらサイトも工作レベルは高く、美しく仕上がっています。
フロント、リアとも付属しているのはうれしいのですが、でもここはナイツのサイトを付けて欲しいところですよね。

QDスリングアダプターリコイルバッファチューブ基部には、QDスリングアダプターが追加されています。
実銃の開発当時にはQDスリングはまだなかったと思いますが、オマケとしてついているならうれしいですね。


ストックはクレーンタイプです。伸縮は6ポジションとなっています。
こちらもSR-47の開発当時、クレーンストックは存在していなかったと思いますが、バッテリー搭載を考慮したのではないでしょうか。個人的にはクレーンのほうが構えやすくて好きです。


BOLTの電動ガンは東京マルイの次世代同様にリコイルシステムがリコイルバッファチューブ内に内蔵されているため、バッテリーは収納できません。そのため、クレーンストックのバッテリーケース内に収納します。各種スティックタイプのリポを搭載できます。


スチールプレス製の600発多弾マガジンが標準装備です。みたところ東京マルイの同じモノです。マガジン重量は248gです。


各種AKマガジンに対応するか試してみました。
左からBOLT SR-47に付属の多弾倉マガジン、東京マルイのノーマル、海外製のプラ製リアルカウント、海外製の800連多弾倉です。
結果は左の2本しか装填できませんでした。右の2本は全体的にキツキツでロックがかかりませんでした。


SR-47もAK系と同様にマガジン前方を引っ掛けて、装填する方法なのですが、非常に使いにくいというかロックがしっかりかかってくれません。

個体差かもしれませんが、マガジンがロックされ、抜けない状態でも写真のように前後にカタカタ動きます。もちろん給弾にも影響します。

マガジンキャッチ部
どうやらマガジンキャッチ部がマガジン後部の出っ張りにしっかりロックされないようです。しかもプラ製マガジンを挿入してみたらタイトすぎて抜けなくなり、悪戦苦闘しました。
むりやり抜いたらマガジンキャッチのパーツが外れました。

実射テスト
今回、実射テストを行う前に、室内での試射、空撃ち等で動作確認を行っていた時、7.4vのリポでは、セミの速射時、トリガーロックが何度か発生しました。
重量があるリコイルバッファーを可動させるためにもハイトルク&高電圧が必要なのだと思われます。
そのため、今回の実射テストは11.1vのリポを使用しました。
11.1vではトリガーがロックすることはなく、フルオートのサイクルも若干早くなりました。

SR-47をフィールドに持ち出し、いつものレポート同様に40mのマンターゲットに向けて撃ってみました。
ホップを調整すれば、まっすぐ素直な弾道で、フル、セミともにほぼ命中できます。
結構、纏まっており、集弾性もよいです。
リコイルは強烈ですが、しっかり構えれば、非常に素直な弾道です。
リコイルも次世代電動ガンよりあるように感じます。
この性能なら箱出しでもサバゲーで十分使用できると思います。
そして11.1vのリポが元気良すぎました。
トリガーレスポンスもよく、リコイルも7.4vより鋭く、速く、いい感じです。
しかしちょうど構えて、ストックに頬当てする当たりにリコイルバッファーがあるので、衝撃がモロに頭に衝撃が来ます。
そして作動音もかなりうるさいです(笑)。

前回、SR-16の時に一番問題だった弾道の乱れについては、BB弾との相性が一番の原因だったのではないかと思われますが、アルミ製のインナーバレルにも一因があると私は考えております。
メーカーにはインナーバレルを真鍮製に変えたほうがよいと提言しましたが、SR-47ではアルミ製のままでした。
テストでは、非常に不安でしたが、1,000発以上撃っても、今回は弾道の乱れは発生ぜず、一安心です。

実射
しかし、今回は別の問題が発生しました。
マガジンがちゃんと入らないのです。
マガジンにロックがかかっても弾が出なかったり、撃っていると急に弾が出なくなったりすることが多々ありました。その場合、マガジンを手前に引いてポジションを変えると弾が出ます。
発売直後のBR-47からマガジンが入り難いという問題があったようで、2015年のSR-47からは改良されたとも聞きますが、まだ完全に解消されてないようです。
せっかく実射に関して問題はなかったのに、マガジンがちゃんと入らないために弾が出ないことがあるというのは、非常に残念ですね。
ここに関して、個人で調整できる範囲なのか、今後、調べてみたいと思います。



総評


SR-47のスタイルを完璧に再現
BOLTでは、SR-47のスタイルを完璧に再現してくれています。
フルメタルで一切のガタつきがなく、質実剛健。
フレーム、レールの機械工作精度も高く、エッジも処理され、手にした感触も滑らかで心地よいです。
各パーツも美しく仕上げられており、もう芸術の域に達している感があります。
初速と飛距離、集弾性能、強烈なリコイルと実射性能に関しても十分に戦える電動ガンです。
インナーバレルも現在のところ問題はありません。
ただ1点の問題はマガジンが入り難いことです。
ここまで完璧に作られているのに、非常に惜しい部分ですね。

しかし、それを差し引いても洗練された美しいガン本体、しかもナイツのライセンス取得済みということで、SR-47が好き過ぎる私とっては、購入する価値が十分あります。
今後、マガジンキャッチの問題は自分で、もしくはショップと相談してなんとか加工、改修してでも、愛用したい! とやる気にさせる1丁です。

撮影協力: ビレッジ2

2016/03/05


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