LCT Airsoft 電動ガン AKM Ver.2009
実銃のAKMは1959年に当時のソビエト連邦軍で制式採用されたアサルトライフルだ。1949年制式のAK47の改良型として配備された。AK47と同じ7.62mm×39弾を使用する。AKとはアブトマット・カラシニコバの略で設計者はミハイル・カラシニコフ。
AK47との外見上の違いはいくつかある。まず、右斜上方にカットされたマズルブレーキが装備された。またハンドガード、ストックともにそれまでの無垢材から合板(ラミネート材)を使用したものに変更。ハンドガード下部には滑り止めの膨らみが設けられた。またストックはAK47に比べより直床になりレシーバーに対してまっすぐに取り付けられた。グリップも木製から樹脂製に変更。レシーバーはAK47の削り出しから、生産性の高いスチールプレスに変更。レシーバーカバーには強化用のリブが設けられた。
今回は台湾のLCT Airsoftの電動ガン、AKMをレビューする。
LCT AKM Ver.2009 電動ガンスペック & 弾速データ |
全長 |
913mm |
重量 |
3,450g |
装弾数 |
6mmBB弾
600発 |
定価 |
オープン
販売価格
35,800円~37,411円(税別) |
発売日 |
2009年 |
バッテリー |
ミニS |
|
最高 |
94.40m/s |
平均 |
93.72m/s |
最低 |
92.49m/s |
ジュール |
0.878J |
回転数 |
980rpm ET-1 Lipo 7.4V 2000mAh |
※G&G Natural 90% バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温21.1度、湿度40.0% |
構えた感触は思ったよりもスリムだが剛性感は非常に高い。マガジンはMAGの樹脂製マガジンに変更している。スリングはロシア製のAK用デッドストックを入手。
レシーバー右側面。スチールプレス製レシーバーの黒染め質感がたまらない。
レシーバー左側面。沢山のピンが打たれている。もちろん光学機器を搭載するマウントベースは無い。AKMにドットサイトなんてそんな野暮なことは言わない。
アウターバレルまわりもすべて金属製。フロントサイトポストはAK47に比べてややスリムになった。右斜め上にスラントカットされたマズルブレーキが特徴。実銃では射撃時にリコイルを緩和する働きがある。このマズルブレーキを取り外せばM14逆ネジ仕様なので他のタイプのフラッシュハイダーやサイレンサーを取り付け可能。でもAKMはやはりこのマズルだよなぁ。特有の荒々しくリアルな雰囲気は、使い込むほどに味わいが出てきそう。
ハンドガードは合板製。側面には滑り止めの緩い突起が設けられた。また、ガスピストンロッドが収まるチューブにはAK47では小さなガス抜きの穴があったが、AKMではその穴が無くなった。
ハンドガードは実銃と同じ手順で分解可能。リアサイト横のテイクダウンラッチを上方にあげて(1)、ハンドガード上を取り外す。木製部分をガスチューブから取り外すにはくるりと180度回転させれば取り外せる。
ハンドガード下は固定レバーを捻り(2)、前方へハンドガードをスライドさせるように取り外す。
リアサイトはAK47同様にタンジェントタイプ。距離目安の数字にホワイトが入る。
ちなみにこの写真、コッキングハンドル側を下にして置いてしまったため、ハンドルがちょっと曲がってしまっている。ダミーの薄いボルトに溶接されているのでぐいっと引っ張って元に戻すことができたが、置き方には注意した方が良い。
スチールプレス製のレシーバーカバー。AK47から強化用のリブ加工が施されたのが特徴。
フォールディングストックのAKMSはこのレシーバーカバーを開けて内部にAKバッテリーをコネクトする。
セレクターはAKシリーズお馴染みのレシーバー右側面にある。上からセフティ、フルオート、セミオートのポジションとなる。
レバーはマルイ製AKに比べると結構堅く、かなりしっかりと動かさないとならない。
カバーの隙間からメカボックスが見える。
コッキングハンドルを引くと可変ホップアップ調節レバーにアクセスできる。
内部ユニットは東京マルイのVer.3コピーなので、AK47同様にチャンバー上部のレバーを前後にスライドさせて調節する。
ただ、このレバーが緩めで射撃しているとズレていたりするので、ワッシャーをかまして増し締めした。
グリップ内にモーターを内蔵するのもマルイAK47同様。
底部のマイナスネジを取り外せばグリップを簡単に交換できる。
ちなみにこのグリップはLCT純正オプションのベークライト風グリップ(1,651円)を装着している。
グリップはノーマルで写真右の茶色のベタッとした質感のものが装着されている。ここはやはりプラムカラーのベークライト風グリップに交換したくなる。
なお、最新のAIMSなどにはもとからこのカスタムグリップが装着されているようだ。
AKMの固定ストックはラミネート材、つまり合板製。鮮やかなニス仕上げと木目が美しい。バットプレートはスチール製で、構えたり立て掛けたりするときに、やや滑りやすいのが難点。
ストックのバットプレートは2本のマイナスネジで取り付けられているので、これを外してストック内にバッテリーを接続する。ちょっと面倒だ。ミニバッテリーサイズならば収納可能。ラージバッテリーは入らない。
マガジン装着部分。マルイのAK47同様に前方にマガジンを引っかけてから後部をカチリとロックさせる。
LCTのAKMで唯一気になる箇所がこのレシーバーの隙間。
メンバーの所有するAKはどれもこの部分に同じ隙間があったので個体差ではなさそう。裏側が見えるほどの隙間だ。実銃をマジマジと確認したことがないのでなんとも言えないけど、安全対策なのか、とにかく気になる。
付属のゼンマイ給弾600連多弾マガジンと2000mAhのET-1リポバッテリーを装着しての実測重量は3435g。
そこそこの重量だが、バランスが良いのと、その重量感あふれる質感から重さはあまり感じなかった。
マガジン重量の比較。LCT付属の600連マガジンで246g、東京マルイ純正AK47 70連マガジンが255g、MAGの樹脂製ベークライトタイプ100連マガジンが137g。樹脂製マガジン1本で100gは軽量化できる。多弾マガジンが嫌いな人は樹脂製がオススメ。
ただMAGマガジンは茶色の単色で質感がイマイチなので塗装するなりしてこんな感じの質感にできたら良いなと思う。
この秋、チームメンバーでAKが流行始めた。しかもLCTが大人気!!
これはフォールディングストックのAKMS。ビンテージ加工済み。
こちらはAIMS NV。フォアグリップ装備の木製ハンドガード、ルーマニアンストック装備。G04のフロントと交換してショートバレル化してある。コンパクトで構えやすかった。ビンテージ加工済み。
こちらはG04。スケルトンストックに穴あきのハンドガード。ワッフルマガジンに、
イルミネーテッド ショートズームスコープ搭載。フロントは上のAIMSと交換してある。なんとも凶悪なイメージ。こちらもビンテージ加工済み。
さて、LCTのAKMを実射してみる。固めのセレクターをセミオートにして撃つ。スパン、スパンとなかなかのキレ。まあ、バッテリーをリポにしているというのもあるかもしれない。
つづいてフルオートで撃つ。シュタタタタタっと秒間16発程度。なかなかの安定感でメカユニットをドライブ。
マルイ製に比べるとややギアノイズが大きいのはいかにも海外製電動ガンと言ったところ。
弾道はマルイ製に比べるとややバラつくが、AKMの荒々しいイメージもあってなぜか許せる。バラつくと言っても電動ガンなりのホップの効いたフラットな弾道なのでサバゲーにも問題なく使用できる。
ホップレバーの緩みをクリアすれば良い感じになるだろう。
ただし、付属の600連マガジンの給弾性能が微妙で、ゲーム中、しばしば弾上がりが悪いことがあった。このあたりはマルイ純正の多弾マグと互換性があるのでそちらを利用するのをオススメする。
全体的にはスチールプレス製のレシーバーの質感、荒々しい仕上げでかなり所有感が高い。
使い込む撃ちに黒染めが掠れて使い込まれた雰囲気になるのは楽しみだ。そこまで待てない方はエイジング加工をしているショップもあるのでそちらをオススメする。チームメンバーは
NOOB ARMSというショップで購入しビンテージ加工をセットでオーダーしていた。
初速も90m/sちょっとで安定、性能もまずまず、価格も次世代電動ガンよりも安い。次世代のようなリコイルショックは無いが、その質感、存在感は過酷な条件下でも確実に作動すると言われるタフなAKMにベストマッチ。オススメの一丁だ。
2011年9月、ロシア軍は時代遅れだとしてAKの購入停止を決めたが、いまなお世界中の紛争地帯で使用されている。ライセンス生産品も含めて1億丁以上が生産されたというこのAKシリーズ、一度は手にしてみるのも良いと思う。その独特の雰囲気が伝わるはずだ。
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2011/12/04
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